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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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アクション映画で独特の暴力美学を持つ、サム・ペキンパー監督。
1972年。スティーブ・マックイーンの代表作と言えるでしょう。
ローリングストーンズが、Star Starでこの映画を歌っていることも有名。

マックイーンの二番目の奥さんである、アリ・マッグローと共演。
二人して、ハードな逃避行。
アメリカ映画によくある、メキシコ国境への脱出を試みる。

やっぱり面白い。
なにが面白いかって、
マックイーンとマッグローの掛け合いは絶妙です。

刑務所から、取引をして仮釈放になり出てきたマックイーンは、
自分を仮釈放するために妻であるマッグローが評議員と寝たことを知る。
そのことを知って彼は怒り、二人の関係はギクシャクして微妙なものとなるがーー

度重なる困難な脱出劇と、予期せぬ事態。
ハラハラさせられます。

そして、砂と埃と風。
ドライでハードなアクション。
これこそ、スティーブ・マックイーンですね。

ポール・ニューマンはもう少し軟派な感じなんですが、
マックイーンは硬派で、より男っぽい。

そこがいい。
年末はGetawayできまりです。

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原題、The Thomas Crown affair
スティーブ・マックイーン、フェイ・ダナウェイ。

山本監督と佐野史郎さんが語っていたから、面白いのかと思っていたけど、
しょぼい映画だった。
アカデミー主題歌賞をとったとかいう曲がまずいらない。

なんていうか、マックイーンの魅力が全く出ていない、
つまらない映画でした。
ストーリーも必然性の全く見えない、
わけのわからないストーリーで、雑すぎるというか。

フェイ・ダナウェイの魅力一つで全編をもたしたような映画で、
ただし、フェイ・ダナウェイの魅力もいかしきれてはいない。
やっぱり、『俺たちに明日はない』が最高です。

マックイーンはやはり『ゲッタウェイ』でしょうか。

次回は『ゲッタウェイ』について書きます。




原題、Magnum Force

というのも、44マグナムをイーストウッド演じる、
ハリー・キャラハンが愛用しているからです。

ダーティ・ハリーは一世を風靡したシリーズです。
ハリーは、悪い奴を容赦なく撃つ。ぶっ殺す。
ハリーは汚れ仕事ばかりやらされる。
だから、ダーティ・ハリーというあだ名があるわけです。
ハリーは自分が罪深いことを理解しつつ、
そんな罪深い奴は自分だけでいいと、

今回のストーリーはそれなりに面白い。

要は、悪がはびこるアメリカ社会で、裁判で裁ききれない悪人達を、
私刑に処する、民衆の味方みたいな奴らが出てくるのだけど、
それはそれで殺人なわけで、ハリー達は捜査に乗り出す。
すると、実はそれが、警察内部の犯行であることが判明する——

蛇の道は蛇、とはまさにこのこと。
ハリーは単身戦うのだけれど、彼の経験がものをいい、
ラストはもちろん勝つ。
「人は分をわきまえないとな」という台詞が渋い。

それに、個人的には、
東洋人の女性とのラブシーンがかっこいい。

「どうしたらあなたと寝れるの?」
と聞いた彼女に、ハリーは軽く笑って、
「Try Knockin on the door」という。

かっこよいね。

1949年。カンヌ映画祭グランプリ。


昭和までは、洋画ベスト100、というアンケートをとると、
必ず1位にくる映画でした。
もしも今、同じアンケートをとると、全然違う結果になるんでしょうね。

この映画も、もう3度くらいは見たかもしれません。
見ていて、やはりそれなりに面白いと思います。

今見ると、ある意味、典型的なフィルム・ノワール。
まるでフィルム・ノワールの教科書的映画と言ってもいい。
脚本はグレアム・グリーン。
主演はジョゼフ・コットンにアリダ・ヴァリ。
そしてオーソン・ウェルズの怪演が光る。
かててくわえて、アントン・カラスのかの有名なツィターの曲が、
戦後間もないウィーンを舞台とするこの映画にベストマッチ。
音楽の力も捨てておけない。

それにしても、『地下水道』の後に見たせいか、
この映画でもラストのウィーンの地下水道が目につきます。
ウィーンの地下水道は、ワルシャワのそれに比べて、
なんと清潔に見えることか。

思うに、レジスタンスなどの、抵抗活動、地下活動みたいなのが、
この時代は盛んだったから、本当の意味での、アンダーグラウンドが、
頻繁に描かれるんでしょうね。

戦後間もないウィーン。
四分割統治にある状況で、それぞれ戦争の影を背負った人物たちが織りなす、
サスペンス。
第三の男は果たして誰なのか。
肩パットが際立っている、アリダ・ヴァリは美しい。

今の時代、本当の意味でのアンダーグラウンドなんてありえない、
とつくづく思いました。

やはりいい映画だと思います。


1961年。
アンジェイ・ワイダと並ぶ、ポーランドのもう一人の巨匠、
イエイジ・カワレロヴィッチ監督の傑作。
恐るべき映画です。

舞台は、鄙びた田舎にある中世ポーランドの修道院。
尼僧達は、「悪魔」に取り憑かれ、情欲にふけるままとなってしまっている。
彼女たちの悪魔払いに派遣された神父スーリンは、
尼僧の代表格であるヨアンナと対峙するが、
彼女は8つの悪魔に取り憑かれているという——

・・・このような、陰鬱極まりない、暗い映画があるでしょうか。
初めて見たときは強く衝撃を受け、
今でも見る度に、そのおもしろさにゾクゾクします。
映像もさることながら、イヴァシュキェヴィッチの小説を原作としたこの物語は、
仮借無く、人間の内奥を探求しています。

「悪魔」というのは、そもそもなんなのか。

この時代の修道院の「悪魔」とは、要は、カトリック的観点から見ると、
許されないような欲動ではないのか。
「悪魔」というのは、ある意味口実に過ぎません。
しかし、敬虔な神父は、悪魔払いのために、
とてつもなく悲惨な行動に出るのです。

このポーランドの田舎の描写が、異様に暗い。
しかし、これが本当の貧しさです。

ポーランド映画の主題の深さ、美的センスのすばらしさ、
とにかくすべての面での質の高さを感じさせます。
クラコフから出た、ポーランド派たちの独特な人間探求は、
他の世界の映画に類をみない、暗さを持っています。
そして、ワイダもそうですが、ドライタッチを得意とした、
感情移入されていない、冷酷さが際立ちます。
これはとりもなおさず、ポーランドの歴史に依拠しているのだと思います。

絶対見るべき映画です。
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プロフィール
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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