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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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シリーズ第2作。1966年。
佐伯清監督
高倉健、池部良、三田佳子、津川雅彦


三田佳子さんは今となっては、ご家族の問題などもあり、
そういう意味での有名人に過ぎませんが、
この頃はとても美しい。
綺麗です。
しかし、藤純子さんには敵いませんが。
(藤純子さんは、あの独特の低い声もいい)


さて、残侠伝も本作を終え、残すところあと1作。
いまのところ6作見ました。
その中では、この作品はあまり面白いものではありません。
なぜなら、最後の白刃の出入りがいまいちなのです。

というのも、池部良さんが、すぐに死んでしまう。
そこがいけない。
そのうえ、拳銃とは。
池部さんはもっと、活躍してから死なないといけないと思う。
健さんの闘いは格好いいのですが。
そもそも池部さんが出てくるのが遅すぎる。

もっともいいパターンは、
池部さんと藤純子さんが兄妹役で、健さんと敵。
しかし、藤純子と健さんが恋をしているパターン。

あと採石場は必ずヤクザがらみ。

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原題、Le Souffle au Coeur
1971年

原題はなんとも訳しづらい感じなのですが、
少なくとも「好奇心」というのとは少し違う。
もう少し、深刻な感じがあるんですね。

本作はフランス映画の青春ものに非常にありがちな話なのですが、
一つ、そのありがちさを逸脱している要素があるとすれば、
それは母子相姦という、重いテーマです。

しかし、日本ではひどく重苦しく、悲哀に満ちたテーマになりそうな、
母子相姦という主題も、お国柄でしょうか、フランス映画になると、
非常に淡く、まるで『思い出の夏』のごとく、
一夏のいい体験のように描かれている。
それが面白い。

母子相姦というテーマは、比較的最近の映画、
『ジョルジュ・バタイユ、ママン』にも扱われているテーマなので、
今度はそっちも見てみようと思います。

さて、この映画の評価ですが、正直言ってあまり面白くない。
母親役のレア・マッサリはイタリア人と、少しジプシーのような赤毛と、
奔放さで、なるほど肉感的な魅力はあります。
しかし、その息子役ローランが、いまひとつ。
いまみっつ、といったところでしょうか。

ローランが、いかんせん、魅力ないんですね。
さらに彼の兄たちもがちゃがちゃしてて、ガキくさくて鼻につく。
周りにいるガキ達もそろいもそろって馬鹿で、面白みに欠ける。
ローランの体つきが、子供過ぎるというか。
あれで、レア・マッサリの肉体にやられるのは、なんか可笑しい。

いまいちです。




1966年。高倉健。池部良。藤純子。扇千景。
シリーズ3作目。

佐伯監督は、あまりメジャーな監督ではありませんが、
素晴らしい監督です。
佐伯監督再評価をすべきだと思う。
彼については、以下のサイトに詳しいです。
http://www.nihoneiga.info/classic/0002/07.html

『昭和残侠伝』は佐伯監督のものが一番優れています。
とりわけ、最後の作品、『昭和残侠伝、破れ傘』は鶴田浩二も加わり、
最高の出来です。
佐伯監督はこの作品を最後に、映画から離れてしまう。

さて、本作は、藤純子の美しさはいつものことながら、
扇千景もなかなかに美しいです。
高倉健、池部良が、他の作品に比べ、いつ結託するのかな〜と思いながら、
見ていましたが、二人が「ご一緒」する動機が少々弱いかな、と。

ただ、ラストの殺陣、殴り込みは他の作品よりもいい。

池部良さんの追悼に。


Les Plages d'Agnès
アニエス・ヴァルダの最新作。
彼女の人生を、ヴァルダ自身が語るドキュメンタリー。

Documentaire好きの私としては、結構楽しめた作品です。
ただし、映画を見る前に、
それなりにフランス映画界の固有名詞に親しんでおく必要があります。
わざわざヴァルダの映画を見ようと思う人なら、
たぶんそのへんは把握済みのことだと思います。

個人的に面白かったのは、Sèteという土地の話や、
クリス・マルケルのくだり。
そして、バーキンはいつ見ても、面白可笑しい人だと思う。
いつもの、バーキン(鞄)をひっくり返すシーンは痛快でした。

「鞄の中を見てもその人のことは何もわからない」

この言葉は、どこかの、鞄の中ばかりを見たがる人に、
教えてあげたい。
バーキンが持つ、ボロボロのバーキン。
中身もぐちゃぐちゃ。

ヌーヴェル・ヴァーグ時代のヴァルダの傑作、
『5時から7時までのクレオ』についても興味深かったです。
私は馬鹿だから、ちゃんと考えて見てなかったので、
ヴァルダがこういう意図があって撮ったというのを聞くと、
なるほどと思いました。
ゴダールなんかより、全然いいですよ。


そして、やはり、ジャック・ドゥミがSIDA(エイズ)で亡くなる話。
ここは悲しい。

さて、

ヴァルダの映画って、日本で見られるものは少ないのがよくわかりました。
特にサビーヌが出ている、『ドキュマンテール』が見たいと思って、
探したのですが、本国で出ているBOXだけでした。

J'ai mal partout

アニエス・ヴァルダの入門編というより、
少なくとも『5時から7時までのクレオ』
そしてジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』
クリス・マルケル『ラジュテ』
を見てから、取りかかったほうがいい映画です。

シネフィルな方はぜひ。



1979年、タルコフスキー監督。



A&Bストルガツキーの『ストーカー』と『願望機』を足して二で割った翻案。
黒澤明の『羅生門』的な。
しかし、黒澤のほうがよっぽど野心的ではあります。

『ストーカー』とはいわゆる私たちが想像する意味での、
つきまとう人のようなストーカーではなく、密猟者、
という意味です。

タルコフキーは物凄い映像で、出だしから見る者を引き付けます。
圧倒的に静的な、映し出すのは極端に廃れた映像なのです。
SF映画史上に残る傑作であることに間違いはありませんが、
個人的には『ソラリス』のほうが映画としては優れていると思います。

というのも、『ストーカー』のほうは、映画を見ると、
原作のほうがより面白いと感じるからです。
なぜなら、原作のほうが、動きがある。
しかし、タルコフスキーは、動きを一切取り払って、
極端に静的な映画へと仕上げております。
私は、もう少し、動きを出してもこの映画を損なわなかったのでは、
と思いますし、いかんせん『願望機』とドッキングしてしまったことが、
よくないと思えて仕方ありません。

宇宙人が来訪し、去っていったとされる、「ゾーン」
「ゾーン」に一歩でも入ると、
あらゆる物理学の法則を無視した、予期せぬ事態が起こる。
世界中の科学者たちが「ゾーン」を研究するのだが、
一向に謎はつかめない。
そんな中、命がけで「ゾーン」へ侵入し、
宇宙の痕跡を刻まれた、見た目は地球のものだが、
不可思議な状態におかれた物質を盗み出す、「ストーカー」がいた——

おそるべき想像力と筆致で書かれる「ゾーン」
数々の罠と犠牲。
そこの最奥部には一体何があるのか。

レムのファースト・コンタクト三部作にも負けない作品です。
原作を読んだことがなければ、タルコフスキーの映画も半減でしょう。

映像がとにかく凄いです。
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プロフィール
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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