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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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1979年、タルコフスキー監督。



A&Bストルガツキーの『ストーカー』と『願望機』を足して二で割った翻案。
黒澤明の『羅生門』的な。
しかし、黒澤のほうがよっぽど野心的ではあります。

『ストーカー』とはいわゆる私たちが想像する意味での、
つきまとう人のようなストーカーではなく、密猟者、
という意味です。

タルコフキーは物凄い映像で、出だしから見る者を引き付けます。
圧倒的に静的な、映し出すのは極端に廃れた映像なのです。
SF映画史上に残る傑作であることに間違いはありませんが、
個人的には『ソラリス』のほうが映画としては優れていると思います。

というのも、『ストーカー』のほうは、映画を見ると、
原作のほうがより面白いと感じるからです。
なぜなら、原作のほうが、動きがある。
しかし、タルコフスキーは、動きを一切取り払って、
極端に静的な映画へと仕上げております。
私は、もう少し、動きを出してもこの映画を損なわなかったのでは、
と思いますし、いかんせん『願望機』とドッキングしてしまったことが、
よくないと思えて仕方ありません。

宇宙人が来訪し、去っていったとされる、「ゾーン」
「ゾーン」に一歩でも入ると、
あらゆる物理学の法則を無視した、予期せぬ事態が起こる。
世界中の科学者たちが「ゾーン」を研究するのだが、
一向に謎はつかめない。
そんな中、命がけで「ゾーン」へ侵入し、
宇宙の痕跡を刻まれた、見た目は地球のものだが、
不可思議な状態におかれた物質を盗み出す、「ストーカー」がいた——

おそるべき想像力と筆致で書かれる「ゾーン」
数々の罠と犠牲。
そこの最奥部には一体何があるのか。

レムのファースト・コンタクト三部作にも負けない作品です。
原作を読んだことがなければ、タルコフスキーの映画も半減でしょう。

映像がとにかく凄いです。
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海馬浬弧
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言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
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私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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