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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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現在二冠の羽生さんによる『決断力』
大好きな棋士です。
なお、今の将棋界トップは渡辺明竜王で、
渡辺さんも大好きです。


将棋とは、その多くの場合が父親に教えてもらうものだと思います。
将棋以外にも、例えば囲碁、チェス、オセロ。
こういうボードゲームを、
今の小学生くらいの子供たちはどの程度嗜んでいるんでしょうね。
その割合みたいなのを知りたい。

これだけポータブルゲームが普及すると、
一応は人間と面と向かってする、
これらのボードゲームを出来なくなっていきそうです。

さて、少し本の内容とずれますが、
いくつか私見を。

Youtubeにも多数Upされている、
渡辺さんと羽生さんの竜王戦ドキュメンタリーを見ていて思うのですが、
羽生さんはいつからか将棋の中のいわゆる「狂気の世界」へ
もう没入してしまっている気がします。
(それが良いのか悪いのかは置いておいて)

島朗九段がインタビュアーとなり、羽生さんへ
様々な質問を投げかけているのですが、
(竜王戦2010、渡辺明vs羽生善治、死闘再び、参照)
その時の羽生さんがお話されるご様子は、
全く対話相手の目を見ることなく、
奇妙に口を結び、少し挙動不審ですらあるような、
孤独過ぎる人の話し方以外の何ものでもないのです。
決して会社的なビジネスの場所では見ない話し方です。

羽生さんの声が昔より少し高く感じられるのも、
私はあまりお話されないから、という気がします。
人間は話をしないと、声が高くなるのです。
そういう声の高い年上の男性、周りにいませんか。

おなじことは先日のNHK杯に出られていた、
丸山九段からも感じましたし、
森内名人にも感じます。
どうも皆さん孤独でありすぎるような気がする。

人生をあの盤面に傾け、
駒を動かす一つ一つの異様に重い決断に、
精神が削られているのではないか。
まさしく鬼の棲む世界です。

それに対し、渡辺さんは案外普通です(もちろんいい意味で)
それはひとえに奥さんとの対話などのおかげでは、
なんて思ったり。
島さんも普通だし。
あるいは渡辺竜王もいつかは、
あの人の目を全く見ない、盤面だけで会話する鬼の世界へ
入ってしまうのでしょうか。

と、ここまでは完全にどうでもいい、
私の勝手な考えです。
どうも孤独過ぎるのではないか、というのが私の感想。


本に話をもってくると、
とても面白い本なのです。

羽生さんの強さの秘密というのが、
ここに凝縮されている。
羽生さんは将棋界でこれまでに存在しなかった
オールラウンドプレーヤーであり、
なぜにオールラウンドプレーヤーであるのか。
そこに強さの秘訣があります。
居飛車も振り飛車も矢倉も穴熊も使いこなし、
あえて相手の得意な形で真っ向勝負する。

壊して作り直し、失敗してやり直す。
それを何度も何度も繰り返したのが羽生さん。
チェスでも日本最強と言われている。

尋常ならざるプレッシャーにさらされて勝ち取った、
史上初の七冠時代から現在まで。
私個人的には、奥さんが畠田さんであるということも、
羽生さんが普通じゃない証左であると思う。
つまり元アイドルを奥さんにもつ棋士は、
たぶん他にいないんじゃないか。(知らないけど)
凄いことです。
なぜなら、奥さん自体も前に出てきた方であり、
いわゆる縁の下の力持ちとは少し違う。
(もちろん、ご結婚されてから、
陰に日向に支えてきたに違いないのですが、
その出自が輝かしいという意味です)

羽生さんには渡辺さんという天敵がいることも面白い。
また、ぜひとも羽生さんが挑戦者となる、
竜王戦の死闘が見たいものです。

ビジネスや人生の場面でも多々遭遇する決断のために、
ぜひ本書をお読み下さい。

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この曲について論じることができるほどペルトについて
造形が深いはずもなく、
また何か引き出しを持ち合わせているわけでもない。
耳が格別いいというわけでもない。

エストニア生まれのこの音楽家は、
心が疲れ、全く油っぽい音楽を求めていない時、
とても聞きたくなる曲です。
ペルトのタブララサも最近よく聞きます。

ついに10月も最終日。
trick or treat ?

謙虚に粛々と、
これしかない、という道を、
三歩進んで二歩下がっていますが、
進んでいこうと思います。




出版社、南江堂の代表的刊行物と言えば、これ。

私の新しい哀読書。
(誤字ではありません。故意にこう書きました)

適応や副作用、ドーズなど詳しいです。
妊婦さんがおられる家庭では、特にお薬についてこれを読んで
注意しておきたいですね。

一つのお薬には、製品名と一般名の二種類あります。
たとえば、第一三共のCMでも話題のロキソニン。
歯医者などで処方されたことのある方も多いと思います。
製品名はロキソニン。
一般名はロキソプロフェン(ナトリウム)と言います。

で、さらに言うとロキソニンはパテントが切れているから、
実はジェネリック医薬品も多数出ております。

そして、スイッチOTCも認められたから、医療用医薬品としてだけでなく、
市販薬として、——ただし第一類医薬品ですが、
手に入るようになったのです。

実は、製薬業界の売上高の8割は医療用医薬品であって、
パパスやマツキヨ、セイムスなどのドラッグストアで買うことの出来る、
OTC薬の売上高は全体の1割程度に過ぎない。
そのほとんどが病院で処方される医療用医薬品の売上高なんですね。

で、各製薬メーカーが競って、
MR(Medical Representative)と称する、
製薬業界独自の情報提供人員を持ち、
病院へあの手この手で営業をかけるわけです。
大きなメーカーほどMRを相当数かかえている。


もし、なにか気になるお薬を病院で処方されたら、
この本を使って調べてみて下さい。
あるいは私とお知り合いの方は、
私に聞いてみて下さい。
ちなみに、各領域において、
最新の作用機序を持ったいい薬も載っていますので、
一家に一冊欲しい本です。








ブロンズ新社刊行の話題作。

これまではあまり絵本を読まなかったのですが、
最近はなぜか絵本へ手が伸びがち。
しかも涙もろくなっているため、
読後泣きそうになりました。

きっかけは平積みされているのを見たこと。
その絵に惹かれニコちゃんがこの本を手に取りました。

絵が素晴らしいとか、話しが感動的とか、
そういう感想は私以外の誰かに任せます。


私はただ、とても現実的なお話だと感じ、
単に感動すると言うよりか、
実際に身にしみて、なんだか寂しくすらなりました。


酒井駒子さんの作品は最近話題です。
みなさんもどこかでご覧になっているのではないでしょうか。
時には、こういう絵本を大人も手にとり、
読んでみることをお薦めします。

傑作です。


アゴタ・クリストフはつくづく凄い小説家ですね。
本作は『悪童日記』の続編。

『悪童日記』の冷酷無比な文体の系譜を
底流で受け継いでいるのみ。
全く異なる文学空間を構築している。

フランス語のタイトルは、La Preuve
つまり、「証拠」
邦題の「ふたりの」は意訳です。
私個人的には、この意訳は余計な気がしますが、
商業的なセンスからすると「ふたりの」は
必要なんだろうな、とも思うので、
まあそこは重要じゃない。

一読、『悪童日記』とは全然違う。
何かがおかしい。
それは文体だけではない。
内容も何かがおかしい。
しかし、おかしいと思ったまま、
その謎は幾人かのひどく印象的な登場人物によって、
一旦宙づりにされてしまう。

本質的な寄り道のような、いくつかのエピソード。

そしてきっちり基本をおさえた起承転結。

アゴタの作品は、
明快に始まり、明快に終わる。

これが本当の書き出しであり、最後の一文なんだろうな、と思う。
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プロフィール
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海馬浬弧
性別:
女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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