あらゆる事柄に関するレビューログ。
#kaibaricot
アゴタ・クリストフはつくづく凄い小説家ですね。
本作は『悪童日記』の続編。
『悪童日記』の冷酷無比な文体の系譜を
底流で受け継いでいるのみ。
全く異なる文学空間を構築している。
フランス語のタイトルは、La Preuve
つまり、「証拠」
邦題の「ふたりの」は意訳です。
私個人的には、この意訳は余計な気がしますが、
商業的なセンスからすると「ふたりの」は
必要なんだろうな、とも思うので、
まあそこは重要じゃない。
一読、『悪童日記』とは全然違う。
何かがおかしい。
それは文体だけではない。
内容も何かがおかしい。
しかし、おかしいと思ったまま、
その謎は幾人かのひどく印象的な登場人物によって、
一旦宙づりにされてしまう。
本質的な寄り道のような、いくつかのエピソード。
そしてきっちり基本をおさえた起承転結。
アゴタの作品は、
明快に始まり、明快に終わる。
これが本当の書き出しであり、最後の一文なんだろうな、と思う。
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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