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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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これは野心溢れる傑作です。
久しぶりに、これほど高い水準の、
今まさに活躍している方の作品に出会った気がします。
あるところで見つました。
アンテナはりまくっててよかった。

西アフリカはマリ出身でコラという独特の弦楽器奏者のバラケ。
フランスを代表するチェリストのヴァンサン。
二人が生み出す、至高の室内楽。

スピリチュアルで且つ洗練されている曲ばかり。
クラシックにジャズにアフリカ音楽、
すべてがとても心地よく混ざり合っているけれども、
極限までシンプルなのです。

以前、このレビュー・ログで、
ジャズピアニスト、ダラー・ブランド『アフリカン・ピアノ』を
とりあげました。
あのソロ・ピアノのアフリカとジャズの融合も最高級ですが、
こちらはより知的ですね。

マリという国はもちろんフランコフォン。

コラという弦楽器は、切ない音を出す。

「日々の雑音に疲弊した我々の耳を救う」とはよく言ったものです。
そういう意味では、
クープランとかの中世クラヴサン(ハープシーコートないしはチェンバロ)
の曲の雰囲気に似ている。

弦楽器のエロスはここに極まる。


これを聞きながらだと、創作意欲が高まってくること間違い無し。

ぜひ。






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フレデリック・バック『イリュージョン?』より

東京都現代美術館にて現在開催中の
フレデリック・バック展に行って参りました。

アニメーション制作をコツコツとやっている身としては、
ぜひとも見ておかないといけないと思い、
また過去に『木を植えた男』を見、感銘を受けたので。

アカデミー賞にはあまり知られていませんが、
長編アニメーション賞、短編アニメーション賞もあり、
『木を植えた男』(1987)は
アカデミーの短編アニメーション賞を受賞。
その前作『クラック!』もノミネートされております。

『木を植えた男』を有名にしたのはフレデリック・バックに違いありませんが、
しかしこの作品はそもそも、
フランスの小説家ジャン・ジオノの作品です。
ジオノの文学があるからこそ、生み出された作品です。


さて、私がこの展覧会でまず感じたのは、
バックの創造力の出自についてです。

私は勉強不足だったのでバックや展覧会について前情報がなく、
展覧会もアニメーションのセルを見られるかな〜と思って行ったのですが、
まず驚いたのが予想外に普通の絵がたくさんあったこと。
バックは画家→そして今で言うイラストレーター、
挿絵などの仕事もこなしつつ、
その後カナダにいってアニメーションを作成したのでした。
その流れを全く知らなかった。

だから展示の1階は彼の初期の絵画作品が非常に多い。
もちろん、この頃から後のアニメーション作品の萌芽は見られます。
明らかに彼の絵は、画家としての絵に向いていない、
と個人的には思いました。もちろんいい意味で。
大胆で、線が太く、動きを求めている。
とりわけ、本の挿絵、イラストの企画などの展示は興味深く、
私も非常に刺激を受けました。

それに対し3階の展示はアニメーション作品。
私は『クラック!』以降しか知らなかったけれど、
それ以前の作品の展示も充実しているし、面白い。

思ったのは、どの作品も一つの手法だけではない、ということ。
切り絵やセルを混ぜ込んでいる。
そしてセルも普通のセルではなく、アセテートセルという特殊な、
フィルムを用いています。

私が最も見たかった、バックのセルに特殊な色鉛筆で手描き、
という手法は、頭ではわかっていたのだけれど、
本当に膨大な労力を要するものだと痛感しました。
わずか30分の作品に2万枚の、
しかもあの質のセルを作るというのは、
ちょっと信じがたい。
凄いとしか言いようがない。

そして、様々なオーバーラップを駆使した、
彼の絵に適確にマッチしたカメラワーク。

私は美術館的なところは、かなりスッスッ行くタイプなのですが、
いつのまにか2時間くらい経っておりました。

アニメーションというのは、
まるで日本のお家芸のように思われがちですが、
やはり世界にはその国独自の、作家それぞれの、
印象的で優れた作品があります。

東京都現代美術館は9月の土曜は夜8時までやっている日もあり、
仕事をしている方にとっては、とても嬉しい配慮。

バックは凄かった。

少し前の記事で恐縮です。


東日本大震災を発端に、
それまで「潜在的」であった様々な問題が露わになりました。
私的なレベルでも社会的なレベルでも。


内需の冷え込み、円高→空洞化、そしてデフレ。
電力不安。少子高齢化。
働き手はどんどん減少している。
それでも日本はアメリカの失業率の半分くらい。

ここまでの円高、それも持続的だろうという見通しとなると、
輸出が主体のグローバル企業は、
当然のごとく海外市場への進出を加速させ、空洞化が進む。
そうすると国内の雇用も落ち込む。

グローバルな舞台で活躍出来る潜在能力を持った、
優秀な人材の確保は当然引き合いになります。


最近では、本当にあっちこっちの企業が、
どんどん、今まで以上に海外進出をしているのをひしひしと感じています。
政治の領域では、いまいち危機感を感じていない、無責任な、
何をやっているのか不明なバカがどうしても目立ちます。

会社という組織の中にも必ず淀んでいる部分があるものですが、
とある上場企業の、
グローバルマーケティング・チームの方々の有能さは、
さすがと思わされました。
もちろん外から見ただけに過ぎず、内情や人間関係まではわかりません。


私は、日本の企業は社内の「公用語」を英語になんてしなくていいと思います。
第一に、日本語のレベルが低い方が外国語をやるのは本末転倒で、
意味がないという、私個人の考えからです。

しかしながら、英語はできるにこしたことがない。
なので、私の考えは、日本の企業であれば公用語は当然日本語。
だけれども、海外の方とのやり取りは、
やはり英語などの外国語で行わないといけないので学ぶ必要がある、
という感じです。


さて、日経新聞のこの記事を読むと、
本当にやってる奴はやってるなあと思う。

つまり、勉強している奴らはガツガツやってて、
いまは小さなメーカーなども、円高が激しすぎるので、
アジアへの進出を虎視眈々と狙っている。

例えば平日の夜、図書館などへ行けばわかりますが、
仕事帰りのサラリーマン、OLが資格目指し、自習している。
しかも、そういう人で席が一杯になっている。
みんな残業三昧でストレス三昧なのに、やっている。
やっている奴はやっている、常に。
そうでない奴は、下ばかりみているだけだ。
自分の下を見て言い訳にする。
携帯ゲーム機に時間を食われているだけなのです。


夜の図書館の光景は、
コリン・ウィルソンが仕事後に大英図書館に通い詰めていた、
というエピソードを思い起こさせました。

今後、4,5年で外国語でビジネスをこなす求人は数倍にふくらむ、
というリクルートの試算。
そもそもはじめから、有能な外国人を雇用する会社も大幅に増加している。

先日、帝国データバンクの最新TDB業界動向でも、
「快晴」は少なく、とりわけ出版、出版取次業界の「雷雨」は、
個人的には痛感しています。

私はよく言っていますが、
こういったことは、決して企業とかのレベルの話ではない。
もっと、私的な領域にも食い込んだ話題なのです。


私も日本に飽きてきた。
その一環として、今回の転職があります。
嫌だ嫌だと言いながら同じ状態なのは、
つまりは現状の甘受を意味しているだけなので。
それでは何の進化もない。
大切な友も、別の方向へ進化を遂げました。

若者が急激に少なくなる世界なんて、全く魅力を感じない。
しかも少ない若者達もあまり覇気がないときている。

自己満足でなく自己批判。
人が頑張っているのを見聞きすると、
自分なんてまだまだといつも思います。



1972年。

ドイツ・プログレの傑作。
しかし、プログレというより電子音楽、エレクトロニカ。
この時点ですでに。
そして今時の電子音楽やエレクトロニカよりなおいいのです。

ドイツにはこの時代、他にも

NEU
Ash Ra Temple
Tangerine Dream

などすぐれた電子音楽、プログレ、エレクトロニカ・バンドがおりました。
シュトックハウゼンを生んだ国だけあって、
こういう内省的な音楽の土壌がもともとあるのですね。

ジャケットも美しい。
とても物悲しい。

時々、この3曲だけのアルバムが聴きたくなる。




えちぜん鉄道。


通称「えち鉄」の魅力、
それはなんといってもアテンダントさんが乗車されていることでしょう。

一両しかない列車は、途中多くの無人駅を通過するため、
切符の回収、そして切符の販売をアテンダントさんが車内で行う。
また、時には沿線で開催されているイベント等のアナウンスもする。
「えち鉄」限定のキティちゃんを販売していたりもするのです。
(もちろん買いました!
実は私にとってキティちゃんは何かと縁起ものなので。
白百合で売られている限定のマスール・ハローキティも
仕事で行った際に頼み込んで入手し、とてもいいことがありました)


私は、いわゆる「のり鉄」の中級レベルを自負しております。

この夏に、富山地方鉄道などの私鉄も乗って、
色々感じたのですが、
「えち鉄」はアテンダントさんの効果もあり、
たとえば富山のそれと比較すると、大分明るい。
そして、なにより福井は関西文化圏だなあと思いました。

アテンダントさんは、乗ってくるお客さんと、
にこやかに談笑されたり、中学生の子が何かこぼしたら、
ポケットティッシュをあげたり、
本当に地域密着方で、外から見た人間にとっては、
なんだかほほえましく見えました。

私は、福井から勝山永平寺線の終点、勝山まで乗り、
世界三大恐竜博物館の一つ、故・黒川紀章氏建築の恐竜博物館へ向かいました。
永平寺にも行きたかったのですが、次の機会に。

福井の方はきっと、遠足とかで恐竜博物館や永平寺へ行くんだろうなあ、
と思いました。

各地方によって、修学旅行の場所とか違ってて面白いですよね。


勝山永平寺線は、途中から九頭竜川に沿って進みます。
わたらせ渓谷鐵道が、渡良瀬川に沿うような感じですが、
やはりそれよりも明るい。

私は現地をよく知らない人間ですので、
いい加減なことを言って申し訳ないのですが、
福井の田舎ってそんなに暗くない印象で、気持ちいいですね。
土讃線に似た雰囲気というか、やはり関西文化圏だからでしょうか。
日田彦山線はまた別種の味がありますが。

富山や栃木とか、あるいは群馬のあたりとか、もっと暗い印象です。

アテンダントさんが、とても眩しい。
えち鉄、福井に行かれた際にはぜひ。

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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
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独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
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