忍者ブログ
あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



これこそは、すべての女性に読んで頂きたい図書。
とりわけ「結婚」というものや、「家族」というものについて、
ここで提示されている考え方はとても絶望的なものでありますが、
あまりに現実的なのです。
または、「幸福」や「人生」というものがいかなるものなのか、
モーリヤックの提示した一人の現代女性は、
1927年から90年以上経った今でさえ、アクチュアリティをもって迫ってくる。

だから私は、ご結婚されている女性にこそ、
この話を読んで頂きたいと思っています。
とても、絶望的な物語りですが、
そのような物語りの存在意義とは、ただひとえに、
悲しい時に中島みゆきの「悪女」を口ずさむような、
悲しみに対する悲しみの薬。
絶望は同種の絶望をもってして、乗り越えないといけないからです。

さて、あるところで、主人公でありタイトルに冠されているテレーズのことを、
「心底怖い女の話」と書かれている著名な方がおられましたが、
否、それどころか、これはひどく現代的な、他人事では全くない、
ある意味では当たり前のお話なのです。

「心底怖い女」、それどころか。

テレーズをこう形容してしまう感性、それこそテレーズが最も恐れ、
最も理解しようという姿勢からほど遠い、「男性」的な典型姿勢ではないか。
テレーズの夫ベルナールのもつ姿勢と一致しはしないか。
この表現こそは、心ない、一つの形容詞に当てはめ、
その存在の多様性・複雑性を去勢させる、悲しい不理解ではないか。

「怖い」というのは表現は、常に理解できないものに対する
典型的な形容詞であり、テレーズとベルナールのような男女関係に限らず、
様々な人間関係、あるいは自分と異なるものに対する形容なのです。


さて、『テレーズ・デスケイルゥ』のあらすじとは、
新潮社の文庫本版レジュメから引用すれば、


 テレーズは夫を殺して自由を得ようとするが果たせず、
 しかも夫には別離の願いを退けられる・・・。
 情念の世界に生き、孤独と虚無の中で枯れはててゆく女
 テレーズを、独特の精緻な文体で描き、
 無神の世界に生きる人の心を襲う底知れぬ不安を
 宗教的視野で描く名作。


つまり、テレーズは、夫を殺そうとする女なのです。
しかしそれは、あくまで外面的な情報に過ぎない。
彼女がそのような方向へ転がっていった内的な必然性とは、
一体なんであるのか、そのことをじっくり考えて見る必要性が、
今の時代を生きる我々にも少なからずあり、
これは全く他人事ではない。

モーパッサン『女の一生』
フローベール『ボヴァリー夫人』
と同じ系譜に属する物語で、言ってみればボヴァリー夫人の夫に対する評価、
すなわちすべての夫的なるもの(私は男性とは言わない)
に対する絶望と、
似ている話に違いない。

ボヴァリー夫人が不倫に走り自殺したのと同じ道順で、
テレーズは夫の殺害へ向かう。

このことが示している一つの絶望的な理解は、
多くの場合、——もちろん全部ではない——、
結婚というものが人生からの「逃避」であるという事実。
むろん「逃避」といっても、様々な種類がある。


欺瞞であろうと子供は授かる。
しばし子供へ、子育てへ没入、専心する。
自己欺瞞を忘れる。子はかわいい。
だが、子は育つ。大人になる。
その時、再び、一度逃げたものに追いつかれていることを悟る、
という典型的な主婦の手順。
私もその実例。

そしてその欺瞞の末路。
ボヴァリー夫人は自殺したけれども、
テレーズはそういう意味でも現代的な女性です。

ここで結論や夫殺し未遂の動機は語りませんが、
彼女の姿には、『東電OL殺人事件』の彼女のことさえ重なる。


最後のシーンで見る彼女の後ろ姿は、
果たして今村昌平の『豚と軍艦』のようにしぶとい吉村実子なのか。

映画版では『24時間の情事』のエマニュエル・リヴァ。
残念ながら映画のテレーズは見ていないけれど、
リヴァはぴったりだと思います。

この知的でニヒルな、日本の小説に描かれない乾いた女性は、
デュラス『モデラート・カンタービレ』にも通ずるものがある。


すべての女性に読んでもらいたい一冊です。

PR
今更、英語でしゃべらナイトについて話すなんて、
少しこっ恥ずかしいですが、毎週見ているのです。
とても勉強になります。

大体、毎回、日本で名の知れた大企業の方達のグローバル戦略の一端を、
「英語」という言語ツールを通し、
その奮闘記を見られるので、
様々な意味で勉強させてもらっています。

ちなみに私は転職するのですが、
新しい仕事で、今度は大いに英語が関係してくるので。


少し仕事関連の話しを交えて考えます。


米国債務上限引き上げ問題を発端とした、
格付け会社による国債の格下げ、ギリシャのデフォルト。
そして、その問題はいまやフランスにまで飛び火。
結果、円高は日銀介入でも収まらず、ユーロも依然として高い。
それでも、市場では円について割安感が根強く、
今後も高くなっていくと私は思っています。
(日経新聞の「円ダービー」というコーナーにも参戦中)

日経新聞で最近ずっと、海外拠点への業務シフト、
内需減少、について様々な角度から記事を出しております。

ぜひ、注意して欲しいのは、
これは、ビジネスだけの問題ではないということ。
あらゆる形で私たちの日常生活にも、これから影響を及ぼすに違いなく、
常に、10年先のことも考えて行動しなければ、
ビジネスに限らず、絶対に生き残れない。
日本の国債だって、デフォルトとみなされる日がくるかもしれない。

私はアートなどの領域でも色んな人と話していて感じるのですが、
日本だとマーケットが小さくなる一方だし、
認められるということに、
それほど意味と価値を見いだせない。
内輪だけの、ホットな話題みたいなレベルで満足しているようでは、
このご時世、だれでも簡単に、「〜家」みたいのを名乗れるし、
発表できる場は、それこそ金さえ払えばいくらでもある。
金を払わなくてもいくらでもある。
正直、それでご飯を食べられなければ、税金を払えなければ、
意味がないし、力がないと思う。


世界の現状を把握しつつ、
自分の個性と特異性と普遍性を押しだすこと。
なおかつ、書家の實さんがじっくりお話下さったように、
論理的な自作の説明と、プレゼンが絶対に必要なのです。
伝えられないと、つまり言葉しないといけない。
自己満足から他者へ共振を送る作業を、作品と共に提示すること。


プレゼン、すなわち営業ツールの重要な実技です。
最も緊張するものです。
この番組では、アメリカの著名人達のプレゼン、
いわばプレゼンの達人たちの芸当・技巧をわかりやすく紹介。
こういうプレゼンはとうぜん、一朝一夕で身につくものではない。
ジョブスのプレゼンとか、よく形容詞多用とか言われていますが、
この番組でまとめてみると、確かにその通りでした。
しかもうまい。
この番組では取り上げられてませんが、
サルコジ(嫌いだけど)とかの弁論もすごいものがある。
わかりやすく、適確な論理の構築です。

プレゼンは緊張するし、資料作成の準備も大変。
しかし、自分が嫌だとか、居心地悪いなあ、と思っているところにこそ、
つまりは新しさがあるわけだから、失敗を繰り返すことで貪欲に学び、
盗み、聞く。

居心地の悪さとは常に一つの力です。
レベルの低い話をすれば、居心地のいい家庭で育った人が、
なかなか実家を地元を出られないように、
うまくいっているということは、何かを捨てることになる。
一般的に、
ご両親との絆が深ければ深いほど、恋人との結びつきが浅くなるように。
vice versaですよね。
(私は一般論を言っているだけで、全部にあてはまるとは思っていません)

何を求め、何を選択するか、していくか、それを選び、
犠牲にしなければいけない。
ところで、その取捨選択の構造について、
伊藤計劃さんの『ハーモニー』で面白い考え方を披瀝されています。


プレゼンの極意は、
パトス、ロゴス、エートス。
何事にも、重要な三つですよね。

どんどん売り込んでいくしかない。
そのためのツールは多ければ多いほどよく、
さらにどこへ重点を置くか、ストラテジーをたてないといけない。


5〜6年前までは70'sにはまってましたが、
今は80’S

Partenaire particulier



この曲のもろに80年代な感じがいつ聴いてもたまらない。
このキーボードとか、キャッチーな曲調と歌詞。
「やせぎすの女にはうんざりだ」とかそういう歌詞がいい。



今も活躍する代表的なロックバンド Indocine
その代表作L'Aventurier




Les Rita mitsuko

ミツコという名前はもちろん、ジバンシーのかの有名な香水。
そしてその香水は日本人に対するオマージュ。




Desirelesse

このクリップはなんとベッティナ・ランス。
とてもインパクトが強い。




Etienne Daho は Tombé pour la France
一番聞きたいのはWeek-end à Romeなんですがなかった‥




Corynne Charby より、Boule de Flipper

今でいうAKBとか大勢だから注目あびる感じですが、
ピンクレディが2人でもすごかったように、
本当のアイドルは1人で戦える。



ラストはやっぱりテレフォーヌ。
Téléphone

Un Autre monde

このPV見ると自分が留学してた時につくった『メトロ』を思い出します。


今夜ははじけよう。




2008-2009アニメ。
原作は支倉凍砂さん、アスキーから出ている電撃文庫。

(最近、アニメが多いのはたぶん疲れているから)

電撃文庫と言えば、ラノベ界の雄。
『とある……』シリーズは累計1000万部を売っているという、
バカ売れ本。凄い。相当な印税。
正直、アニメを見て、全然面白くなかったけれど。


さて、『狼と香辛料』はハイ・ファンタジー。
しかも良くできている。
ラノベ原作アニメは、ストーリーがそこそこしっかりしているものが多い。
その上、この作品のテーマは「商売」「経済」であり、
こういうテーマを扱ったアニメを初めて見た気がする。
物々交換の歴史、商売、経済の成り立ちを、
主人公の商人ロレンスを通して見せてくれる。
この着想はなかなか面白いと思う。

アニメの主人公は、普通、強くて、かっこよくて、
刀や剣を使ったり、特殊な能力を持っている。
しかし、ロレンスはかっこいいのはまあ及第点としても、
他はすべてない。
頭はまあまあ切れるけれど、お人好し。
主人公のキャラ設定としても興味深い例です。

そこにとある旅の途中で出会う、狼の神ホロ。
彼女と旅を続け、それぞれ特色のある町で、様々な商売と、
商売上の修羅場をくぐり抜ける、というストーリー。

はじめは、ホロの口調に辟易としたけれど、
慣れることが出来、話の独創性を堪能できました。

これは非常に良質なアニメです。
派手ではないかもしれないけれど、
一つの芯を持った世界観を提示している。

ホロとロレンスのキャラ設定もしっかりとし、且つ一貫している。

欲を言えば、彼ら以外に重要なキャラクターが欲しかった。
各町において出てくるのだけど、そうではなくて、
物語を通じて、彼らにとって重要なキャラがいれば、
もっと話を展開出来たと思う。

その好例は、トライガンで言うところの、
ニコラス・D・ウルフウッドです。

一番の相棒が死ぬ、というシーンは物語りのハイライトです。
『トライガン』ウルフウッドの死
『北斗の拳』ではレイの死。
『ガングレイブ』でハリーの死。
『母を訪ねて三千里』でロバが死ぬところ。
『ペリーヌ物語』でのお母さんの死。
どこもすごいシーンで涙なしには語れない。


この回の演出、今見てもたまらない〜。
勉強になります。
もし続きをご覧になりたければyoutubeで「トライガン23」といれて見て下さい。
本当ははじめから見るべきだけど。
また泣いてしまった。

閑話休題。

そういう意味で、
ホロとロレンス以外に、もう一人誰かいれば、と思うのです。

でも、『狼と香辛料』は、
可能性を感じさせてくれる、いい物語りでした。



めちゃくちゃ眠い。
忙しさに疲れすぎていて、頭が割れそうに痛い。
が、なんとなく気分転換にレビューを書いてみようと思います。

本作はスピンオフ・アニメ。
面白いかどうかと言えば、疑問。
ただ、舞台が富山なので静かではある。
それは私が最後まで見られた理由の一つ。

もう一つは、この絵にも出ておりますが、
一番下の弟が、実に私と全く同じ名前であったということ。
私の名前は少々珍しい漢字を書くのですが、全く同じで、
なおかつ同じように読ませる、といった共通点があった。

ので、なんとなく最後まで見た。

問題点はと言えば、荒木先生の『ジョジョ……』でいうところのスタンドが、
こちらで言えば「ペルソナ」であるだけ。新しい発想はなし。

個人的には子安さんがやっていた一番上の兄の長男としての使命、
みたいのが、少し見られた感じでしょうか。

なんか、深夜に一気に、
すごくぼんやり見流してしまった感じ。

アヤネに能登さん。
叶鳴に中原さん。
めぐみに阿澄さん。

耳を鍛えたアニメでした。
15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25 
Admin / Write
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[06/03 マスターの知人]
[03/08 桐一葉]
[12/03 あみぴろ]
[11/16 あみぴろ]
[10/19 あみぴろ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
海馬浬弧
性別:
女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]