あらゆる事柄に関するレビューログ。
#kaibaricot
先週末ある人から貰って読みました。
1984年の時点で、まるで今の原発事故を見据えたかのような、
とてもアクチュアリティのある話。
ストーリーは『マスター・キートン』などで傑作も多い、勝鹿北星氏らしい。
スリーマイル島の事故が1979年だから、
その事故を受けての、綿密な取材で構想されたストーリーに違いありませんが、
勝鹿さんのストーリー・テラーぶりには脱帽する。
今でこそ、「建屋」とか「水素爆発」とか「冷却水喪失」というフレーズは
一般的に理解されていますが、1984年の時点で、
これほどリアリティのある話を作り上げるとは凄いことです。
とりわけ驚くのは結論というか。
よく練られた政治問題と原発は不可分な関係として語られ、
そのような政治問題と絡み合う限り、
原発を人間の力で制御出来ないのなら、
原発を持つべきではない、という結論。
すなわち、原発それ自体に悪はなく、
扱う人間側に問題があるのだから、
扱わない方がいい、という考え方。
う〜ん。
これは今まさに、知識人達の間で比較的受け入れられている意見では、
ないでしょうか。
まさか84年の時点でこんな強靱な想像力を持つ人がいるとは。
もちろん、こういう想像を可能にしたのは、
博覧強記の勝鹿氏が、綿密な取材と検討を行った結果でしょう。
あとは、強固な論理力で話を構築していけばいい。
すごい。
こういう論理力を持った人物はもういませんね。
残念ながら、ゴルゴ13のような人物も現実にはおらず、
危機は回避できなかった。
今必要なのは、センチメンタリストでもイデアリストでもない。
徹底的なリアリストです。
私はそれになりたいと思う。
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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