忍者ブログ
あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


1973年

極端な寡作監督、スペインが生んだ巨匠、エリセ。
記念すべき長編第一作は、とても不思議な映画であった。
スペイン語の原題は「ささやき」というよりむしろ「精神」
spirit, esprit, etc...

非常に有名な映画ですので、どこかでこの特異なタイトルを、
きっと耳にされたことがあるのではないでしょうか。

人間をミツバチに見立て、個々の心模様を、
細やかにたどる、冷静なカメラ・アイ。

時は1940年スペイン。
内戦が終了し、フランコ独裁政権誕生。
とてもとても静謐な映画です。
象徴的な映画と言われますが、
何を象徴しているのかわからなくても十分楽しめるでしょう。
私はスペインの歴史を詳しく把握していませんが、
それでも何かしらの抑圧的な雰囲気は感じることができる。

ブニュエルの空前の傑作『ビリディアナ』もスペイン。
不思議な国。


こんな静かな映画を作ることができるとは。
溝口健二の『山椒大夫』を見て、監督を志した、
というエリセのエピソードもう頷けます。

ある人に倣い、引用でしめくくりましょう。

すなわちマルロー曰く、
「静謐は悲劇よりもなお悲痛である」

この映画にふさわしい。

PR
コメントを書く
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
 HOME | 163  162  161  160  159  158  157  156  155  154  153 
Admin / Write
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[06/03 マスターの知人]
[03/08 桐一葉]
[12/03 あみぴろ]
[11/16 あみぴろ]
[10/19 あみぴろ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
海馬浬弧
性別:
女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]