あらゆる事柄に関するレビューログ。
#kaibaricot
シュヴァンクマイエルという人は、きわめて映画監督的人物です。
非常に特異な性格を持つ監督ゆえに、
一部に熱狂的なファンを生み出しました。
殊に彼の人形を使ったアニメーション。
とても気持ち悪い。
『アリス』などは、たぶんいちばん気持ち悪く撮った監督でしょう。
雑音みたいな音は酷いし、兎はリアルすぎて気色悪い。
もちろん、これらは、シュヴァンクマイエルの良さです。
そして驚くべきはこの『アッシャー家の崩壊』
一人も俳優、すなわち人間を使わずに、
ポーの傑作『アッシャー家の崩壊』を描き切っています。
おそらく、これ以上に優れた
『アッシャー家の崩壊』の映画は後にも先にも出てこないでしょう。
凄いとしか言いようがない。
この映画に俳優なんて邪魔なものは実際いらない。
『アッシャー家の崩壊』における、
純然たる観念的な「恐怖」は、
人間の不在により、とても効果的に演出されているのです。
後半へ次第に高まり行く不安、恐怖。
すべては絶妙な実写アニメーションと、カッティング、
モンタージュによって構成されているのです。
さすがにずば抜けている。
カメラや映画をやる人は、一度はこういう作品を見て、
俳優に頼らないカメラワーク・演出というものを知るべきです。
シュヴァンクマイエルのこの人を食った工夫には、
感嘆しかありませんでした。
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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