あらゆる事柄に関するレビューログ。
#kaibaricot
作画、メビウス。監督はルネ・ラルー。
原作はステファン・ウル。
メビウスは日本にもファンが非常に多い。
宮崎駿や大友克洋、松本大洋などが強い影響を受けた、
BD(バンド・デシネ)の大家です。
特に、『アルザック』は有名。私も持っています。
そのメビウスとルネ・ラルーがタッグを組み、
邦訳が一冊もない、ステファン・ウルのSF小説を題材に撮った、
アニメーション映画。
この映画を借りる前、私はなめていました。
メビウスの絵が、あんまりメビウスっぽくないな〜と思い、
なんかアメコミみたいな感じだと。
それにちょっとB級を感じさせるタイトル。
しかし、出だしのシークエンスを見ただけで、
この映画が傑作なのはすぐにわかりました。このスピード感。
主人公ジャファールの渋いかっこよさ。
なんとなく考えさせられるストーリー。
ユーモラスな描写。
大胆で美しい構図とアイデア。
卓越したカッティング。
かなり面白いアニメーション映画でした。
まさかこれほどとは。
オチはわりとよくあるオチですが、それも心地いい。
この映画を見ると、『アキラ』や『ナウシカ』がいかに、
メビウスの影響を受けたかよくわかる。
そういえば、本来の『ナウシカ』はBDサイズですね。
見ていないので、あれなんですが、
新海誠が新作で、新海節を失ったように思われるのは、
まず第一に彼一流のテーマを失ったように見えるからです。
新海監督のテーマとは、初めから常に「距離と時間」です。
彼はあのテーマによって新海誠であったと思う。
絵によってではなく。
それは明らかでしょう。だって彼は画描きではない。
あくまで『ほしのこえ』もアフターエフェクツ。
それに対し、最近、ユーロ圏を徹底的に見漁って感じるのは、
彼等はまず絵に、明確な個性を持っているということ。
つまりストーリー重視ではなく、形式重視。
だからシュールな作品がいきおい多くなる。
宮崎駿もその息子も、アリエッティの人も、
新海さんの新作も、
残念ながら、どれもこれも日本人の目に慣れ親しんだ、
絵の似通ったセル・アニメーションです。
アニメーションの定義を、
仮に、静止画の連続、とするのなら、
世界のアニメーションの広さには新鮮な驚きを感じます。
厳密には映画でさえ、フィルム時代は1秒24コマの静止画なんですが、、、。
映画を作るためには、絶対にアニメーションを学ぶ必要がある、
と確信しました。
ルネ・ラルーとメビウスの仕事を、
Youtubeではなく、機会があればDVDでぜひ見てみて下さい。
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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