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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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1966

本作『テルレスの青春』で長編デビュー。
『ブリキの太鼓』ではパルムドール、アカデミー外国語映画賞受賞。
言わずと知れたドイツを代表する映画監督。

いわゆる、「ダス・ノイエ・キノ」の監督の一人として登場。
パリの高等映画学院に学び、ルイ・マルやらアラン・レネといった、
ヌーベル・ヴァーグの監督の助監督を経験。

・・・・・・・・・・・・・・・

『テルレスの青春』を見たのは二回目です。
とても印象的な映画なので、
大体おおまかな内容は記憶していたのですが、
急に再び見たくなった。
たぶん東電OLを読んでいたせいだと思います。

ごくありふれた人間が、とても卑屈な奴隷に変貌したり、
残酷非道な怪物になりうる。
そういう精神の飛躍をとてもうまく描き出している映画。


前見たときは気がつかなかったけれど、
これは、原作がムージルだったんですね。
さすがムージルと思いました。

また、ナチスを生んだドイツにとって、
このテーマは殊に重要性を持つでしょう。

人間は、ごくありふれた人でも小さなきっかけで、
怪物にもなりうるし奴隷にもなりうる。
なんでもなしうるということ。
テルレスはその視点から、傍観者として事の次第を見つめる。

とても暗い青春。
否、本来、青春とは必ず鬱勃としたエネルギーを抱え、
暗いものなのです。

、、、個人的にはこういう男子校ものは、
ちょっと違うけれど日本にもある主題かな、と思います。
想起したのは堀辰雄『燃ゆる頬』
こういう話には、クラスの権力持ちで且つ美男。
加えて悪魔的な性格の男が必ず出てきて、
少しそっち系の要素が出てきて…みたいな。
ある意味では三島の『春の雪』も少し思い出しました。


いずれにせよ、とても興味深く面白い映画。
シュレンドフの佳作。
私は『ブリキの太鼓』より好きです。
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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
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私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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