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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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20世紀を代表する名ピアニスト、リヒテル。
なんといっても、リヒテルのレパートリーは広いことで知られています。
バッハからプロコウィエフまで、ショスタコーヴィチもやれば、
ベートーベンもモーツァルも。バルトークすら。

とにかくリヒテルのよさはパワフルさです。
他の数々の名ピアニストに比べ、リヒテルほどパワフルな演奏を、
聴かせる人はおりません。

ギレリスもパワフルですが、彼には機械のような正確さが、
鐵の旋律があります。
グールドは、ぴりぴりしてるし、
ミケランジェリは神経質な感じがある。
ルービンシュタインはもっとしっとりしてて、
アルゲリッチはやはり女性的でショパンに冴えた演奏をみせます。

リヒテルのエピソードでこんな話があります。
(ただし、うろ覚えなので、
細部に間違いがあるかと思うのですが・・・)

リヒテルがブラームスか何かを弾いていて、
それを聴いていた友人と、

リ「君は、ブラームスがこの曲を書いた時の天気がわかるかい?」
友「・・・いや、見当もつかないよ・・・」
リ「そうかな?・・・僕は秋の寒い日、雨が降っていた時だと思う」

つまり、リヒテルからすれば、曲を聴けば、
その曲がいかなる時、いかなる状況につくられたものなのか、
するすると解けてしまう。
(はずれてるかもしれませんが、それは重要ではないのです。笑)
彼が曲を語るのではなく、曲が彼に語りかけるから、
かれはそれをそのまま弾いている。みたいな感じなのかな。

たぶん、論理的にリヒテルはそれを曲から演繹しているとみました。

閑話休題。

このアルバムのおすすめは、なんといっても、
バッハの平均律クラウディアから、変ホ短調BMV853。
ユーリー・ノルシュテインの傑作アニメーション映画『話の話』で、
まさにこのリヒテルの名演を使用しています。

必聴盤です。

以下のサイトでノルシュテインも見られますので、ぜひ。FC2動画です。

http://video.fc2.com/content/20100706Hgtb7SVU



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日本では孫燕姿とも書きますが、中国語を尊重して上の表記に。
シンガポール生まれ、台湾や中国などで活躍する、華人歌手。
この人のCDは残念ながら、日本で一枚も出ていない。大スターです。
別名、ステファニー・サン。

典型的なバラード。

日本語だと興ざめするようなテーマも、外国語だと、
どうして素直に聞けるのでしょう。

私は中国語(北京語)も少しできますので、
勉強しました、彼女の曲で。

特に、



は、何度もお世話になったCDG空港が効果的に使われていて、
ふとした時に見たくなる映像です。

巴黎。

リュクサンブール公園に毎日行っていたのが懐かしい。


1975年。Keith Jarrettの傑作アルバム。

ジャズ・ピアニストである、キースのピアノ・ソロコンサート。
もちろん完全即興演奏。

1973年に旋風を巻き起こしたキースの『ソロ・コンサート』より、
ピアノ・ソロというジャズのジャンルが確立されました。
1時間近い曲が3曲。それを3枚のLPにまとめたという、かつてない体裁。
すべて完全即興演奏であるため、曲にタイトルなどあるはずもなく、
そっけなく「PART I」とか「PART II」とあるだけ。
CD化された時点で、2枚組にまとめられました。

それに続く、本作『ケルン・コンサート』はまさしく出色の出来映え。
ジャズというよりクラシックに近いとはよく言われます。
とてつもない質と才能です。
のっけから、聞き入ってしまう。

どこからこんな瑞々しいフレーズが、後から後からわき出てくるのでしょう。
インスピレーションという言葉を、本当の意味で理解できます。

一曲一曲が長いので、ゆっくり出来る午後などに、いかがでしょうか。

現代音楽の無秩序と違って、ドラマチックで、情熱に溢れています。
こういうぎりぎりのところで成り立っている旋律、大好きです。

次回は、コルトレーンの、ぎりぎりのラインについて書くつもりです。


フランスのPOP/ROCK歌手、ポーリーヌ・クローズ。
2008年に日本でも発売されたアルバムです。

ポーリーヌを初めて知ったのは、
偶然ミッドタウンでライブをしていたのを聞いたからです。

独特のたれ目と、低い声の歌声。
そして、フォークとロックを融合させた、小気味よい作風。



1987年の作品。
原題、Solitude standing

明らかにパンクを乗り越えた世代の音楽。
ルー・リード、そしてパティ・スミスや、テレビジョンを超え、
ニューヨークが生んだ80年代後半の新しい才能。

その爽やかな曲調とは裏腹に、代表曲Lukaでは、
児童虐待問題をシンプルに、率直に歌う。
虐待されている男の子の一人称で語られる、切ない歌詞。

If you hear something late at night
Some kind of trouble. some kind of fight
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was

Yes I think I'm okay
I walked into the door again
Well, if you ask that's what I'll say
And it's not your business anyway
I guess I'd like to be alone
With nothing broken, nothing thrown

子供は大人が思っているより大人で、
それでも親を庇おうとしている。

Solitude standing というタイトルのごとく、
様々な孤独を歌う。

Night vision や Tom's diner も、暗く、
余分な音はないけれど、爽やかにかけぬける。
心地よい疾走感。



デビューアルバムの、この曲に、彼女の曲の良さがすべて出ています。
都会的で洗練されている。
暗くて、でも爽やか。

傑作映画
『Blue angel』を見、そのディートリッヒに感銘をうけて作った曲です。

年末に『孤独』はいかがでしょうか。


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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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