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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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異端の俳人、西川徹郎、10代の頃の処女句集。
吉本隆明をして、天才と言わせしめた、破調の銀河系。

神保町の、沖積舎さんは、いつも貴重な図書を小数部で発行しくれます。
たとえば、竹中郁詩集成。この重要な図書は限定350部ですが、
Nicot氏の蔵書にありますので、幸運なことに我が家に。
北川冬彦全詩集も沖積舎さんで、手に入れております。


さて、西川徹郎氏の『無灯艦隊』はまず、タイトルで、
物凄く引き付けられる。
とにかく、かっこいい。
艦隊とくると、どうしても不世出の詩人、
安西冬衛『軍艦茉莉』が頭をよぎります。

晦冥に包まれた海上を、音もなく迫り来る、艦隊ーー

若書きの観は多少否めないですが、
禁欲的で、鋭い句ばかり。ずば抜けています。

以下、ランダムに引用してみます。
(多作の俳人なので、10句ほど)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

世紀末的少年のふぐりは鼠です
海女の乳房に廃船の骨一本刺さり
冬の皿狐の顔を映しけり
屍姦の浜に黒い千鳥が湧き上がり
娼婦の項青い砂漠となっている
月食の街おんなはみんな生臭く
鬼火明かり全裸の祖母が走るかな
卵が降ってきそうな真昼峠越す
全身包帯の馬がくる分娩室に
椿咥えてしいんしいんと旅をしたり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一句一句、立ち止まってしまい、なかなか読み終わらない句集です。



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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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