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ポーランドの巨匠、アンジェイ・ワイダ監督の記念すべきデビュー作。
1954年

この映画を見たのも2回目。
抵抗3部作の第1作目にあたります。

淡々と、抑制のきいた地味な映画です。
戦闘というのは本来、地味なものだし、
レジスタンスともなると、なおさら地味なのです。

この映画からも垣間見えるのは、ポーランドの複雑な事情。
当時、レジスタンスは、コミュニスト達の組織と、
自由主義の国民軍とに二分していた。
挙党一致体制ではなかったんですね。
その二つが同じポーランド人達の組織でも対立しているから、
なおややこしい。

主人公のバルテックは、友人をドイツ兵に殺されたことや、
その貧しい生活環境から、コミュニスト達の抵抗組織に加入する。
そしてユダヤ人たちの蜂起を手助けすることになるのだけれど、
仲間の一人が殺されてしまうし、抵抗組織の幹部で、
バルテックと恋仲であったドロタもゲシュタポにあげられる。
バルテックは悲しみを押し殺し、さらなる抵抗運動へ身を投じていく——

したがってタイトルである、「世代」とは実に重い言葉になります。
おそらく、ワイダは、「世代」という単純な言葉に、
このような抵抗の世代があったからこそ今の我々がいる、ということを
言いたかったのだと私は思います。

世代、重々しい響きです。

否が応でも、受け継いでいくものがある。
私たちが存在している限り、そこに両親なるものは必ず、
どこかにいるのです。

この世代がどういう変遷を辿るかは、
まさに、抵抗3部作の『地下水道』『灰とダイヤモンド』に描かれている通り。
それは悲惨きわまりない、ポーランドの歴史を辿ることになるのです。

次回は、『地下水道』について書く予定。
私は『地下水道』が一番凄い映画だと、個人的には思っています。
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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
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私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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