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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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1983年。ATG映画です。
松田優作、伊丹十三、由紀さおり。

この映画を見たのは二回目。
やはり面白い。
森田芳光は、いまではつまらない馬鹿監督ですが、
この作品は明らかに優れている。

家族というものが、いかに欺瞞だらけで成り立っているか、
このごくごくありふれた一般家庭、沼田家がそれを証明してくれます。
象徴的で有名なシーンである、この横一列にならんだ食事風景。
彼等は決して向きあわず、黙々と自分のことを考えて生きている。
聞こえてくるのは、雑音でしかない生活音ばかり。
「家族」というゲームをこなしているだけの、人間関係。

この地味なテーマの映画がなぜ、ここまで面白いのか。

第一にキャスティングが優れている。
松田優作の家庭教師、吉本や、
由紀さおりと伊丹十三の夫婦は、すばらしい演技です。
また、息子二人もいい。

第二にユーモアが豊富。
見ていて思わず吹き出してしまうシーンが多く、
それらはあくまでも家族の日常生活に則って、
リアリズムなんだけれども、映画として面白くするために、
デフォルメされているのです。

映画は何を撮るかではなく、いかに撮るかだ、ということを再認識させてくれます。
「家族」というゲームのルールをぶちこわし始めたのは、
闖入者である、松田優作。

ラストは、異様に倦怠感溢れる、やけにありふれた日常。
こうして今日も日が暮れるわけです。

家族というものを、面白い視点から捉えた作品。
今回見直してみたら、色々気がつくことがありました。
なんでも、少なくとも二回は、読んだり見たり書いたりしないといけないですね。


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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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