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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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1981年。キシェロフスキ。

この映画でついに、
DVD化されているキシェロフスキの映画をすべてみたことに。

ポーランド国内でしか公開されなかった短編映画や、
ドキュメンタリーなどの小品も少なくなく、見たいのはやまやまですが、
残念ながらこれが限界。

キューブリックも絶賛する、独特の世界観をもつ監督です。

『偶然』は初期作品で、『傷跡』や『アマチュア』に続く佳作。
後に、何人かの監督が取った手法である、

主人公である男性が、
1、「もしもワルシャワ行きの電車に乗れた場合」
2、「もしもワルシャワ行きの電車に乗り遅れた場合」
3、「もしもワルシャワ行きの電車に乗り遅れ、
   ある女性と出会った場合」

という、3通りの可能性を描く。

そして、ただその電車に乗れたか乗れなかったかによって、
180度違った人生を歩むことになる。

結局、人生とは何が禍福を決めるかわからない。
そして、この3通りのどれもが、特に幸福であるとか不幸であるとは言い難い。
どれも同程度。
それぞれ、重苦しい人生がある。

人は、なんだかんだ言って、自分の意志以外の要素に人生を左右されることが多く、
かつ、それなりにどのような道であろうとも、一生懸命生きようとする。
と思いました。

佳き映画とは、常に誰かの人生をダイジェストで描いているから、
一本の映画を見ただけで考えさせられ、疲れます。

ポーランドの複雑な政治事情は相変わらず。
このような社会では、そもそも自分のやりたいこと、
やりたくないことの選択が難しい。

そして、自分のやりたいことをするのが難しい社会の方が、
おそらくは、よっぽど生きやすい、と思うのは私だけでしょうか。

さすがキシェロフスキ。
素晴らしい映画でした。

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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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