忍者ブログ
あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


1951年。

漫画の『頭文字D』ではないですよ。
三島の『頭文字』短編です。

今は、新潮の『岬にての物語』という、
あまり読まれていない短編集に収録されています。
なぜこの短編集が、
例えば『花ざかりの森』とかに比べて読まれていないかと言いますと、
のっけから『苧菟と瑪耶』という、若書き過ぎる、
あまりに飛翔した作品が載っているからで、
かくいう私もそこで頓挫しておりました。
何で読んだか、確かこの小説は、三島によれば、
中村光夫か誰かに、-100点をつけられたという。

そして『頭文字』は、またあやふやな記憶で申し訳ありませんが、
確か澁澤の『三島由紀夫おぼえがき』で、
出口裕弘との対談で、これが好きと言っていたと思う。

確かに凄い。
この短編は、三島の力が遺憾なく発揮されております。
緊張感、凝縮感、そしてエロス。
特に好きなのは、
ヒロイン、渥子の脚が炙りたての鶏肉のように火照っていた、
というような描写。(正確に引用していません、手元になくて……)

炙りたての鶏肉とは、

三島の強靱な文体と論理。
これぞ不世出の作家の仕事です。


PR
コメントを書く
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
 HOME | 139  138  137  136  135  134  133  132  131  130  129 
Admin / Write
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[06/03 マスターの知人]
[03/08 桐一葉]
[12/03 あみぴろ]
[11/16 あみぴろ]
[10/19 あみぴろ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
海馬浬弧
性別:
女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]