あらゆる事柄に関するレビューログ。
#kaibaricot
黒澤明監督のロシア映画。
モスクワ映画祭金賞、アカデミー外国語映画賞受賞。
一言で言うと傑作。
2時間以上の大作ですが、全く見飽きない。
黒澤明監督はやはり日本が生んだ一番スケールの大きい監督でした。
『デルス・ウザーラ』はロシアでは知らない人がいないと言われる、
国民的文学作品です。
ロシア人探検家であるアルセーニエフの極東ロシア探検記なのです。
つまり実話ですね。
シベリアの厳しいタイガの中で出会う、猟師デルス・ウザーラとの交流。
黒澤映画の中では、なぜかあまり見られていない映画ですが、
スケールの大きさといい、映像美といい、素晴らしい作品です。
はっきり言って、黒澤映画でも三本の指に入る。
なによりもまず、この映画はロシア映画です。
ほとんどすべてロシア人スタッフ。
オールロケ。
徹底的にロシアのタイガで撮影。
デルス役を演じたマクシム・ムンズクはデルス以外の何者でもない。
それにしてもシベリアの自然が凄い。
ハンカ湖畔で道に迷ったデルスとアルセーニエフが夜という、
文字通り死に直面したとき、もの凄い雪風が吹きすさぶのですが、
あれは、なんといったらいいのか、とてつもない風です。
『八甲田山』を思い出しました。
しかし『八甲田山』は雪、とにかく雪ですが、
シベリアは違う。
タイガです、針葉樹の密林です。荒野です。
そして野生の虎。
老いのせいでデルスは銃の照準がうまくつけられなくなり、
アルセーニエフとその家族の好意でハバロフスクに行くも、
町の生活に耐えられず、再び森へ帰る。
そしてやるせない悲劇。
ひどく人間くさい映画です。
デルスが森で生きていく様は、なにか考えさせられるものがあります。
彼は、すべてのものを擬人化している、
つまり人間と同等に尊重しているのです。
原作も読みたくなりました。
黒澤明はやはり別格です。
小津なんか、黒澤を前にするとまったくの小物ですね。
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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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