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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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監督:イングマール・ベルイマン
イングリット・チューリン、ヴィクトル・シェーストレーム

非常に優れた映画です。
題名からするとあまりそそられないタイトルにもかかわらず、
いろんな意味で野心的な映画です。

まず、師匠であるシェーストレームを主人公に起用し、
なおかつかなり手ひどく批判するという手法がすばらしい。
そしてある一日のことを描いただけなのに、夢などのシーンを駆使し、
多くの考えさせられることを盛り込むことに成功しています。

イーサク・ボルイ医学博士は、
名誉博士号授与式に出席するため、車で遠いところにある大学へ向かう。
どうやら問題をかかえているらしい息子の妻と、
そして昔の恋人と同じ名前のサーラ、サーラの友人二人を道中のっけることに。

途中、イーサクがなんどかまどろんで見る夢は、
かなり不快な夢です。
イーサクを徹底的に痛めつけるような、彼のこれまでの所行を裁く夢。
「老い」、「自己中心的」とたびたびののしられる。
苛烈な批判です。
妻が浮気するシーンを思い出させられたり、苦行です。

そんなイーサクの生き様や家族に、
どうしようもない孤独と屍の連鎖を見て取る、息子の妻。
彼女は子供が出来て生もうとしたら、夫に反対されたのです。
また、自分の子供もこの不気味な連鎖に巻き込まれるのではないかと不安に思う。

奇しくも名誉博士号の称号を得る日に、
彼は自分に愚者の烙印を押すわけです。

厳しい批判と否定。
しかしそれはたちまち自分自身にかえってくる自己否定であり自己批判です。

私はベルイマンとかなり似ている家庭感を持っているかもしれないと思う。
特に「連鎖」という言葉を使う点は、ひどく似ている。
彼は、常にこのテーマです。

ベルイマンは素晴らしい映画がほんとに多い。

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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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