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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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まさかの全13話。夏クールで、先日最終回を迎えました。


なんといっても、このアニメを見るきっかけてとなったのは、
石川智晶さんのOP曲。
それまで石川さんを知らなかったのだけれど、
例によって今期のアニメをすべて予約し、
帰宅後眺めていたら、このOP曲の異様さにグッときました。

すごく変わっている曲ですよね。
でも、私はOP曲よりなお、ED曲の方が好きです。



アニメのOP,ED曲って、
あくまでそのアニメの良さを伝えたないといけないけれど、
あからさまにそのアニメの内容を伝えてはいけない。
その鉄則を正確に守りつつ、
石川さん自身の世界観へと昇華させている、
素晴らしい歌です。

最近のJPOPに聞くべきものは何もないから、
むしろアニメの主題歌に佳い曲を見いだしがちです。
抽象的な「友情」とか「愛」とかざっくり歌われても、
ピンとこない感じなのですが、
アニメ主題歌は逆に制約があるからこそ、
歌の内容も具体的で、違いを感じやすい気がします。

歌はアニメの内容を示唆しつつ、
見進めて行くことにより、
「ああ、このことを言っているのか!」と気がつく。

夏クールのアニメでは最高傑作でした。

私はまひるがとても好きです。

案山子の起動音も石川さんが担当されています。
どちらかというと暗い話なのですが、
私は暗く激しい話が好みです。

第二期を切に希望。
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2011年、「このライトノベルがすごい!」中10位にランクインされる、
『神様のメモ帳』
今をときめく電撃文庫です。

私はアニメとして見ただけで、ラノベの原作は読んでおりません。
よって、ここでは単にアニメ(全13話)の印象だけ。


まず、全体的な印象。

ラノベ原作のアニメには共通して言えることですが、
「絵」は外注となるため、
だれでもとっつきやすいニュートラルな絵となっています。
この点、漫画原作のアニメとは全く異なる。
漫画はストーリーにも絵にも、それぞれの作家の個性が当然出ますが、
ラノベ原作だと、
全く別の作家の作品にも関わらず、同じ原画家さんを使うことにより、
絵はそっくりな物語がいくつも登場することになる。

したがって、『神様のメモ帳』についても、
絵に関して言えば、特に当たり障りのないニュートラルな仕上がり。

そして、ストーリーと言えば、
要は、上部に埋め込んだ番宣通り、ニート探偵のアリスが、
部屋から一歩も出ずに、
世界を検索して事件を解決する、というもの。
この構想は悪くないけれど、具体的にどのように検索しているのか、
については全く描かれず、単にアリスが論理的思考でもって、
事件を解決しているだけに過ぎないような印象です。

また、これも最近顕著な特徴で、
以前も書いたことがあるけれど、
語調によってキャラ色を出そうとする、
安易なキャラ設定もあまりいただけない。
その上、主人公である鳴海も含め、
他のニートの奴ら(厳密にはニートではない)のキャラが薄すぎる。

キャラが濃い、というのは、好き嫌いが別れ、
多かれ少なかれ諸刃の剣である側面も確かにあります。
しかし、それでもなお、キャラが薄い、というのは、
私は「嫌い」よりも弱いと思っています。

このことは、
例えばAKBなどのアイドルについても言えることではないでしょうか。
キャラが立っている人というのが実に少ない。
キャラが明確なのは、
「性格悪い」キャラの前田さんと「キレると怖い」篠田さんくらい。
そのため、48人も理論上必要なんだと感じる。
モー娘が売れてた頃は、それぞれのキャラがもっと明確だった。

ラノベの登場人物に限らず、
色々なところでキャラが薄れていると感じる。

『神様のメモ帳』は構想悪くなかったけれど、
そういう意味では失速し、広がりに欠ける物語。
こちらは渋谷が舞台ですが、
池袋が舞台の『デュラララ!』のほうがより面白いと私は思います。





2008-2009アニメ。
原作は支倉凍砂さん、アスキーから出ている電撃文庫。

(最近、アニメが多いのはたぶん疲れているから)

電撃文庫と言えば、ラノベ界の雄。
『とある……』シリーズは累計1000万部を売っているという、
バカ売れ本。凄い。相当な印税。
正直、アニメを見て、全然面白くなかったけれど。


さて、『狼と香辛料』はハイ・ファンタジー。
しかも良くできている。
ラノベ原作アニメは、ストーリーがそこそこしっかりしているものが多い。
その上、この作品のテーマは「商売」「経済」であり、
こういうテーマを扱ったアニメを初めて見た気がする。
物々交換の歴史、商売、経済の成り立ちを、
主人公の商人ロレンスを通して見せてくれる。
この着想はなかなか面白いと思う。

アニメの主人公は、普通、強くて、かっこよくて、
刀や剣を使ったり、特殊な能力を持っている。
しかし、ロレンスはかっこいいのはまあ及第点としても、
他はすべてない。
頭はまあまあ切れるけれど、お人好し。
主人公のキャラ設定としても興味深い例です。

そこにとある旅の途中で出会う、狼の神ホロ。
彼女と旅を続け、それぞれ特色のある町で、様々な商売と、
商売上の修羅場をくぐり抜ける、というストーリー。

はじめは、ホロの口調に辟易としたけれど、
慣れることが出来、話の独創性を堪能できました。

これは非常に良質なアニメです。
派手ではないかもしれないけれど、
一つの芯を持った世界観を提示している。

ホロとロレンスのキャラ設定もしっかりとし、且つ一貫している。

欲を言えば、彼ら以外に重要なキャラクターが欲しかった。
各町において出てくるのだけど、そうではなくて、
物語を通じて、彼らにとって重要なキャラがいれば、
もっと話を展開出来たと思う。

その好例は、トライガンで言うところの、
ニコラス・D・ウルフウッドです。

一番の相棒が死ぬ、というシーンは物語りのハイライトです。
『トライガン』ウルフウッドの死
『北斗の拳』ではレイの死。
『ガングレイブ』でハリーの死。
『母を訪ねて三千里』でロバが死ぬところ。
『ペリーヌ物語』でのお母さんの死。
どこもすごいシーンで涙なしには語れない。


この回の演出、今見てもたまらない〜。
勉強になります。
もし続きをご覧になりたければyoutubeで「トライガン23」といれて見て下さい。
本当ははじめから見るべきだけど。
また泣いてしまった。

閑話休題。

そういう意味で、
ホロとロレンス以外に、もう一人誰かいれば、と思うのです。

でも、『狼と香辛料』は、
可能性を感じさせてくれる、いい物語りでした。



めちゃくちゃ眠い。
忙しさに疲れすぎていて、頭が割れそうに痛い。
が、なんとなく気分転換にレビューを書いてみようと思います。

本作はスピンオフ・アニメ。
面白いかどうかと言えば、疑問。
ただ、舞台が富山なので静かではある。
それは私が最後まで見られた理由の一つ。

もう一つは、この絵にも出ておりますが、
一番下の弟が、実に私と全く同じ名前であったということ。
私の名前は少々珍しい漢字を書くのですが、全く同じで、
なおかつ同じように読ませる、といった共通点があった。

ので、なんとなく最後まで見た。

問題点はと言えば、荒木先生の『ジョジョ……』でいうところのスタンドが、
こちらで言えば「ペルソナ」であるだけ。新しい発想はなし。

個人的には子安さんがやっていた一番上の兄の長男としての使命、
みたいのが、少し見られた感じでしょうか。

なんか、深夜に一気に、
すごくぼんやり見流してしまった感じ。

アヤネに能登さん。
叶鳴に中原さん。
めぐみに阿澄さん。

耳を鍛えたアニメでした。


今期のアニメは、私はほとんど見ていないけれど、
その中で勉強のため二作品見ることにしました。

まず、『神様のメモ帳』
渋谷在住、ニート探偵のアリスが一歩も部屋から出ることなく、
「検索」を武器に事件を解決する。
24のクロエなみのPC能力を持っているから、
とにかくハッキングとアーカイブの検索を駆使し、
それだけですべてを解いていく物語り。
やはりラノベの「電撃文庫」から。

概要を見てみると、面白そうな話だけれど、実はそうでもない。
初回はそこそこ見られたんだけど(一時間拡張版)、
いくつかすんなりとはいっていけない点があるし、
ある意味、ラノベ界、アニメ界、
漫画界の行き詰まりを非常に感じさせる作品。
以下、私的な問題点を三点挙げます。

第一に、アニメの入り方。
これは昨今のラノベ、アニメ、
そして漫画において共通していることだけれど、

どれもこれも主人公による「毎日はつまらないことの繰り返し」
「人生は暇つぶし」的なモノローグから始まる。
そのような繰り返しの日常が、繰り返しでなくなるトリガーとして、
必ず出会いがあるわけだけれど、ある人物と出会って、
引きずられて、不本意ながら非日常に没頭していくーーという、
とてつもなくありふれた展開。
全く新鮮さなし。

確かに、いわゆる「読者的な人間」とは、とりわけラノベにおいて、
誤解を恐れずに言うと、リア充人間は少ないと思われます。
そもそもリア充していたらアニメやラノベ、あるいはゲームという世界へ、
没入していく契機はなかなかない。
だからこそ、こういう出だしなのはわかるが。。。

日本人的独創力の特徴とはしたがって、
リアルに不本意な大多数の人のために、
逃避空間を創造する能力に優れていること。


第二に、主人公アリスの「口癖」
これは古くから使われた手法ですが、あの話し方が私には鼻につく。
ナルトが苦手なのはまさしく彼の「ってばよ」語調なのと同様に、
アリスの話し方が苦手。
ともあれ、他のキャラクターとの差異を際立たせるため、
語調を変えるといのは、とてもよく用いられる手法です。
やはり「電撃文庫」からハイ・ファンタジーの『狼と香辛料』、
ヒロインのホロの口調もしかり。
このキャラ分けはいささか安易すぎないでしょうか。
本当に個性的で魅力的なキャラは、口癖に頼らないはず、
と思う。


第三に、サブキャラの設定が典型的。

なんだこの魅力の全く感じられない、二番煎じ的で薄いキャラ達は。
そもそも主人公の男子高校生は、やはり「電撃文庫」の『デュラララ!』
の帝人そのものじゃないか。
少し群像劇的な要素を借りてきた、薄いキャラたちには、
全く新鮮味を感じられない。

じゃあ見るなよって感じでしょうか。
「新しいもの」を作るためには、
常に文脈を捉えておかないといけないので。
それに私はこの作品全否定ではないです。
面白い要素もチラホラある。
部屋から一歩も出ないで「検索」を武器にするとか。




神様ドォルズ

典型的ロー・ファンタジー。
漫画原作。
ゆえに話は一応ノベルである『神様のメモ帳』のほうが良くできている。

でも、なんて言うんだろう。
これもすごい二番煎じ。

まず田舎の因習みたいのから逃れられない、
血塗られた過去、記憶みたいのから、
すぐに『ひぐらしのなく頃に』を想起。
要はそういう現実世界に「案山子」なる非現実要素を組み込んだ物語り。

案山子はペルソナとか、古くはスタンドみたいなもので、
ちっともこう新しさがない。

逆にこのアニメの利点はOP曲です。
なんかすてきに奇妙な曲なのです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上です。

どうも頭打ち観が否めない。
ロー・ファンタジーの場合、現実を舞台とし、
そこに要は魔法とか、今回で言えば「案山子」とか、
「ペルソナ」とか、「デュラハン」とか、「魔法」とか、
そういう異質な要素を盛り込むわけで、
『デュラララ!』の時は非常にうまく各物語が絡み合ったから面白かったけれど、
もうなんか『ハルヒ』を頂点に落ち目というか。
ロー・ファンタジーで出来ることない気がする。

それに対しハイ・ファンタジーは、
一から世界を創造する必要があるので、より高度な想像力が必要なのですが、
こっちの世界にはまだ余地がありそうな気がします。
過去には、というか現在も継続中である、小野不由美の『十二国記』
世界一長い物語り、栗本薫『グイン・サーガ』
両者ともラノベ小説家ではなく、作家ですよね、しっかりとした。

より強靱な想像力に基づいた物語り。

かつては、宮崎駿も自分の作品を映画化していた。
それがいつからか、原作ありきの映画化になり、明らかに面白くなくなった。
本当の作者なら、一から自分だけの世界を創りたいと望むに違いない。
誰か人の作品を映画化するなんて、衰弱ですよ、実際。
全部自分でやりたい、私なら。
『ゲド戦記』はル=グヴィンの天才的なハイ・ファンタジーなのに、
吾朗さんがとてもしょうもない作品にしてしまった。
『アリエッティ』も原作あるし。
なんか吾朗さんもアリエッティの監督さんも、
若いのに優しいおじいさんみたいだなと思う。
もっとギラギラした、若い頃の健さんのような目をしないと。

もちろん、原作ありきの作品を、非常にうまく演出できる、
二次創作の得意な方もいらっしゃいます。
黒澤明監督なんかは両方できる。
『羅生門』なんかは、『藪の中』を混ぜ込んで、
仕上げたその驚くべき好例ですし、
映画監督には本来このタイプが多い。
タルコフスキーの『ソラリス』もそう。
原作も抜群ですが、映画も映画で面白い。


いま必要というか新しいものは、
明らかに強靱な想像力に裏打ちされる、
ハイ・ファンタジーであると私は確信しています。


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プロフィール
HN:
海馬浬弧
性別:
女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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