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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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今なお棋界のトップを走る羽生さんの頭脳や、
将棋というゲームがいかなるものであるか、
人工知能の専門家である松原先生、
認知科学の専門家である伊藤先生による考察を交えつつ
分かりやすく書かれた本。

各章、羽生さんの文章と、
それに関する松原、伊藤両先生の考察が続く感じ。

とても面白い本です。
羽生さん関連の本を何冊か読んでいる方であれば、
オーバーラップする部分も少なくありませんが、
何度も同じことを復習することも重要です。


羽生さんの思考法というのは、
私は将棋のみならず、あらゆる物事において
応用が利くことだと考えています。

例えば以下の言葉を読めばよくわかります。
「私の考えでは一手指すことがプラスに働くことはむしろ非常に少ないのです」
「当たり前のことですが、
将棋というゲームは自分だけの手で成立するものではありません」
「悪いと認識したときは、
それ以上悪くならないように心がけることが一つのポイントです」
「仮にその一局は負けたとしても、長期的に考えると、
むしろ相手の得意戦法にぶつかっていくくらいでなければ、
良い結果は残せないように思います」
「よく言われることですが、歩は一番使いの幅が広い駒です。
歩の使い方で勝負がきまることが多いのは、間違いありません」


などなど。
これらの羽生さんの言葉は、
実際、私の日常生活において役に立ち、助けられています。
羽生さんが棋界の特異なオールラウンドプレーヤーであることは
夙に知られています。
どのような戦法にも対応出来、なおかつ強い、と。
だから棋界のトップクラスを走り続けている。

私もよく言ってますが、人生においてオールラウンドプレーヤーを
目指しているので、とても勉強になります。
現状、私もいま自分の苦手分野に取り組んでいますが、
得るものも非常に大きい。
苦手なことを避けて自分はそれでいい、と思っていると
とても狭い人間になりそうで、それでいい人は全然いいのですが、
私自身の目指すところはそうではないから、今のように生きています。
私について一つ言えるのは、
今はかなり「実際的に」人の役に立っている、
ということです。
それはこれまでの生き方でなかったこと。
人の粗を探してご飯を食っているわけではないし、
親のスネをかじって甘えているわけでもない。
が、もちろん、そう出来る人を私は少し羨ましいと思います。


閑話休題。
上記のような羽生さんの考え方に対し、
コンピューター将棋の専門家であるような先生方が、
コンピューターの考え方と羽生さんの違いを明確に示してくれます。

それは第一に「大局観」がコンピューターにはないということ。
コンピューターには思考の「流れ」「連続性」がない。
常に、一手一手、評価指数というベンチマークを武器に、
可能的な無限の手数を読む。
しかし、人間のトップ棋士は、意味のない手を読む必要はないし、
その一手、またはある手によって、
それからしばらくは劣勢に立たされるとしても、
「犠牲」という観念が当然ある。
最終的な勝利に向けて、何かを犠牲にして戦っていくという手法。
「捨て駒」という表現がそれをうまく表している。
というか、将棋しかり、大体いかなるゲームも、
人生においても、
何かを得るために「犠牲」は必ず必要であると
私は考えている。
選ばなければいけない、と。
選ばないで理想的な答えは絶対に降ってこない。
そして、その選択肢は大抵、羽生さんの言うように、
プラスなものではない。
せいぜい「どちらかといえばマシ」というような
マイナスか、あるいは消極的な選択肢だったりする。
けれど、その選択肢を必ず勝利へ活かさないといけない。

また、将棋にはチェスなど、
各国の似たようなゲームにはない独特のルールがあります。
すなわち「取った駒を再利用できる」という再利用ルールです。
このルールはチェスにも中国将棋にも韓国将棋にもない、
かなり独創的なルールなのです。
結果、将棋の手は無数に拡がることとなりました。

このように厄介な将棋というゲームに
羽生さんはどう向きあっているのか。
将棋好きの私はもちろんのこと、日常生活においても
大変有益な本です。

生きていく、ということがどういうことか、
よく考えるために、ぜひ読んで頂きたい本です。


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海馬浬弧
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自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
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私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
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