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あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
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脚本は新藤兼人。原節子に逢初夢子。滝沢修に森雅之。


この映画を見たのは二度目。
高校の頃持っていたこの本で40位、50位くらいに入っていた。

この本はとてもいい本でした。
1989年、文藝春秋刊。
この本を参照して日本映画の重要な作品を見漁ったのです。


さて、本作『安城家の舞踏會』はチェホフの
『桜の園』を下敷きに、没落していく華族の最後の舞踏會を
描いた佳作です。
しかしながら、今見てみると、なんか馬鹿みたいだな、
と思ってしまう内容であることも否めない。
でも、公開された当時の戦後の人からしても、
なんて子供じみた人たちなんだろう、とやっぱり思ったと思う。

それでも原節子はやっぱり凄いし、
大好きな森雅之のようなニヒルな俳優は、
ちょっと彼以降に見あたらないなあと思うのです。

吉村公三郎監督は今日ではあまり見られていない監督の一人でしょう。
本作以外に代表的なものには『偽れる盛装』があります。
新藤兼人は言わずと知れたご存命する日本映画史上欠かせない監督。

アクチュアリティはないかもしれない。
無理矢理探し出すことはできるけれども。
それでも、華族制度廃止の問題と絡めた本作には、
どこか現代のニートとかそういう問題とも関わりがあるのかもしれない。

安城家の舞踏會はいかにして終わり、
そして終わったところから何が始まるのか。

旅はいつも終わりから始めないといけない。

確か、そんな言葉が安部公房の
伝説の処女作『終わり道の標べに』にあったと思うのです。
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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