あらゆる事柄に関するレビューログ。
#kaibaricot
第10回電撃ゲーム小説大賞受賞作。
巷で話題の有川浩さん。
『図書館戦争』が話題ですね。
そちらは読んだことありません。
仕事帰りのある夜。
東京メトロのプラットホームで、
女子高生が手に持っていた本が『塩の街』でした。
作者の有川浩さんについて何も知らないまま、
タイトルでなんとなく自分も読んでみようと思いました。
一読、私が言うのも何様だって話ですが、
とても話作り(内容)が下手です。
文章(形式)も下手です。
どう下手か?って言うと、
どちらも論理が通っていないのです。
あれがああだから、こうなる。
こうなったから、ああなる。
といった基本的な筋道がおかしい。
細部について考えれば、辻褄が合わない、
納得し難い部分が多々ある。
これは全く自分自身についても言えることですが、
どうも近頃は細部を無視して、雰囲気でごまかす、
ということが横行している気がします。
ただ、そうは言っても一つの作品。
悪くない視点もあります。
一つの最近の傾向ですが、
いまや私たちが現実に存在する世界が、
全くつまらないものとなってしまっているということの裏返しである、
終末待望論。崩壊願望。
崩壊はただ失うばかりではなく、
何かを失うからこそ得られるものもあるし、
裏を返せばそれは、
得るということは失うということであること。
幸福は不幸で成り立つし、
不幸は幸福で成り立つということ。
いまさらながら私は最近よく思います。
人間が死に向かっているように、
世界に存在するありとあらゆるものは死に向かっている。
人間が生きるということは、
とにかくその死を先延ばしにし、食い止めようと、
崩壊を防ごうとすることであると。
会社も、学校も、国も、いかなる組織もほったらかせばすぐ壊れる。
私たちは生きている限り、それを食い止めようと毎日動いている。
すべては崩壊へ向かっている。
エントロピーは必ず増大する。
だからそれを毎日、なにかしらの形で、
労働なり学業なりで防ごうとしている。
それが生きるということで、それ以外に大して意味など無い。
父が働くのは、母や一家の崩壊を防ぐためだし、
子供達が学校へ行くのは教師の生活を成り立たせるため。
いまや一家に一人、フリーターやニートがいる時代。
周りを見回せば、そんな風に見えない人の姉妹や兄弟に、
必ず潜んでいる。
この国もそういう意味では大分裕福になりました。
親のスネを囓り続けても崩壊しない家庭。
とはいえ、いたるところにほころびが見えている。
それは異世界願望、終末待望、崩壊願望の切れ端であり、
そういう切れ端がいたるところで目に付くということは、
私たちが求めているものは、徐々に今の世界を失って得る何か、
に取って代わりつつあるのかもしれません。
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海馬浬弧
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女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
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