忍者ブログ
あらゆる事柄に関するレビューログ。 #kaibaricot
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


『ピアソラ:天使のミロンガ』クレーメル

アルゼンチンが生んだ天才作曲家、ピアソラ。
ヴァイオリニストのギドン・クレーメルはピアソラ作品を、
何枚かアルバムにして出しています。
その中でも出色の出来映え。
アルゼンチンタンゴの革命児、ピアソラを十二分に堪能できます。

アルバムのジャケットに使われている、Tango Ballet 組曲も素晴らしい。

タンゴについて、慣れ親しんでいない方は、
まず、ウォン・カーウァイ監督の傑作『ブエノスアイレス』をご覧になって下さい。
ここでもピアソラの曲が効果的に使われております。

ピアソラは、まさしく、暗い情熱。
彼の音楽は、激しく、身体を震わして泣いているし、
官能にも打ち震えています。

彼のタンゴは「震え」なのです。

ピアソラの曲では、リベル・タンゴなどが、特に知られていて、
おそらく皆さんもどこかで聞かれたことがあるに違いない曲です。
You tube等で山ほどヒットすると思うので、
もしも興味を持ったら聞いて下さい。

私は断言しますが、いい女になりたい、と思ったら、
ぜひピアソラのタンゴを聴いて下さい。
これほどロマンチックな情熱の迸りはないですよ。

アルゼンチンは、もともと様々な移民で成り立った国です。
イタリア系移民が非常に多く、
かの『母をたずねて三千里』のマルコも、アルゼンチンを彷徨します。

『天使のミロンガ』必聴盤です。


これはピアノ版で、抜粋です。
クレーメルの天使のミロンガが一番いいよ。

PR

フランス、アートアニメーション傑作選。vol.3 ベルナール・パラシオス短編集。

日本はジブリをはじめとする、アニメーション大国だと言われています。
しかし、日本以外のアニメーション、
とりわけヨーロッパのアニメーションには優れた監督が多いのです。

日本のアニメーションはいわゆるセルアニメーションが主体。
それに対し、ヨーロッパは切り絵のアニメーションが主体で、
他にもさまざまなスタイルのアニメーション作家がいます。

切り絵主体のアニメーションは、
かなりシュールな空気がでます。
というのも、ヨーロッパアニメの中心であるフランスアニメーションは、
シュールレアリスムの流れを汲んでいるからです。

さて、ベルナール・パラシオスは現在も活躍している、
アニメーション作家です。
2001年の『黄金の森の美女』は
世界4大アニメーション映画祭の1つである、
広島国際アニメーション映画祭でも高評価でした。

『黄金の森の美女』はパラシオスの中でももっともとっつきやすい。
音楽も素晴らしい。
パラシオスは、すべての作品に言えることですが、
選曲がすばらしい。

この傑作短編集の中で、
私が大好きなのは、『夜の鳥』です。
かつて、区役所だか市役所勤めの公務員だったパラシオスの、
職場と家の往復に終始していた、
なんの変わり映えもない、うだつのあがらない日常の物語。

ただただ、職場と家を往復する繰り返しの日常。
それは現代の私たちにもあてはまります。

切り絵で表現された主人公の、
ミイラのようなげっそりした顔。

なんとかそんな日常を抜け出したいと、
「日常」そのものに対する怒り、憎悪を抱く。
そんな暗いロマンチスム。

そこで出会う、夜の鳥。
彼は夜の鳥を車に乗っけて、夜の道を疾走する・・・・
そこでかかるのは、Jack Treese のなんともいえないギター。

あとはぜひ、ごらんになってみて下さい。
あんまり見る機会はないと思われますが、
アマゾンで購入できますし、絶対に損はしません。
断言します。

『夜の鳥』『トラブルメーカー』『雪深い山国』
『黄金の森の美女』はどれも面白い。
新しい世界です。

ジブリになれてしまった日本人の感性には衝撃的な『夜の鳥』。

こんどのさ、『借り暮らしのアリエッティ』?
なんて、見る前から見るきしない。

これはわたしの持論ですが、
アニメーション映画に、タレントを声優として使うのは絶対に間違っている。
なぜなら、私たちはタレントの顔を知っているし、
タレントのキャラクターをすでに知っているからです。
アニメはあくまで、その道のプロの声優さんにやってもらわないといけない。
これは鉄則。

そういう意味で、宮崎駿の後半の衰弱ぶりはひどすぎた。
ポニョとかまっったく、最盛期の宮崎ではなかった。
ナウシカの漫画とか、ああいう英雄なのか悪魔なのか、
判別できないような、エネルギッシュなヒロインをかけていたのに。
(ナウシカの漫画ね)

いずれにせよ、倍賞千恵子さんを声優に使い出したり、
キムタクを使ったり、石田ひかりを使ったりしたのは失敗だし、
ストーリー的にも衰えた。

今回のアリエッティも、相変わらずの、
日本人が慣れきったジブリの絵。
全然見るきしない。

だからこそ、パラシオス。
短いし、おすすめです。


ヘタリア。

現在、映画も公開中。
7月から始まったアニメです。

私は、漫画の頃は知らず、アニメから見ました。
はじめは、これを見続けるのは不可能かも・・・と思いました。
というのも、私が苦手な、ハイテンション・コメディ。

しかし、1話がひどく短いこと、
そして、国を擬人化して語る歴史ストーリーという奇想天外な構想に、
結局惹かれてしまいました。
内容は、よくあるアメリカンジョーク的な各国の国民性をおもしろおかしく、
ひろげています。
イタリア人=パスタ的な考え方です。

話の中心は、イタリア。
へたれのイタリア、それが転じてヘタリアみたいなタイトル。
イタリアの苦難の歴史を、擬人化したイタリアが、
いじめられっ子として登場し、オーストリアやフランスにいじめられたりする。
そしてWorld War1、WW2と話が進み、
主に、ドイツとイタリアと日本のやりとりになる。

しっかし、よくこんな話を思いついたな〜というのが私の率直な感想。
構想がすごい。
まず、時代を通じて、国を一つの人格に擬人化し、
ある一人のキャラクターに結実させ、
歴史を、その人物の経験したこととして描く発想に驚きました。

ただ、なれるまでは、へたれのイタリアの声優さんである、
浪川さんの声が耳心地よくない。
浪川さんは『君に届け』では主人公、風早くんをやっていますよ。
そしてなによりも、エンディング曲が、なんともいえない。

BS11で放映開始。
気が向いたらぜひ。

次回はアニメ以外のレビューをお届けします。

K

けいおん!!第2期について。
(以下、KーON)

第1期を見ていない私が、K-ONについて語るのは、
ファンの皆様からしたら、語る資格を持っていないかもしれませんが、
私個人の感想を述べたいと思います。

根本的に面白くない。というのが率直な感想。
作者のかきふらい氏は、明らかに、男の視点から、
それも女性をあまり知らない男の視点から、
なんでもない田舎の女子高の、ありえな日常を描いております。

それもはっきり言って、どうでもいい日常。
特になにも起こらない。
その上、いわゆる恋バナが、
女子高生にゼロというのは、とても信じがたい設定。
完全に、男の幻想。
女のこたちの、「小さな」萌え的状況。
「小さな」というのは、いわゆる王道的な恋愛アニメと違い、
男の子の登場が皆無であるため、女の子同士の絡みで事件もなく、
そういう「小さな」ハッピーを見つけるような状況であるからです。

彼女たちはいわゆる腐女子に近い。
無菌状態なのですが、こうも恋愛的エピソードがゼロであると、
むしろひどく不健康な地獄にすら思えます。

そのうえ、主人公のゆいは、バカです。
こんな子供みたいな高三は存在しない。
はっきり言って、あほすぎる、ガキすぎる。
こんな女子高生、それも高三は存在しない。

腐女子ですら、もっと恋のはなしとか、
少なくとも恋愛に対する憧れがある。
あいつらの作る歌の歌詞のめちゃくちゃなこと。
全く聞き取れない。
とにかくリアルさのかけらもない、一種の女子高ファンタジーです。

唯一、まともに見えるのが、
後輩のあずさのみ。
あとはバカ。まぬけ。あほ。子供過ぎる。

K-ONが好きっていう男性は、人畜無害系です。
いい人で終わってしまう人だと思いますのでご安心下さい。

何かしながら暇つぶし的に見るのには、
のんびりしていて最適です。
主題歌、エンディング、どちらもバカ売れ。
声優には、いま売り出し中のスフィアから、寿さんと豊崎さんのお二人。

TBSにて火曜深夜放送中。

ちまたで話題ですので、気になった方はぜひ。
私も一応、第2期は全部見てますし、見ます。
K

わたしは、池部良さんの大ファンです。
長生きの池部良さんの大ファンです。
きっかけは、健さん目当てで見た、昭和残侠伝シリーズ。
風間を演じる、池部良さんのかっこよさ。
もちろん、彼の良さは、もっと爽やかな役柄にもあります。

この本の解説は、偶然にも、やはりわたしの好きな、
如月小春さんが担当しています。
小春さんが書いていらっしゃるように、例えば、
小津の『早春』で主役をやった、池部良さんは素晴らしい。
小津の作品としても、原節子を擁した、紀子系の作品群と違って、
そういう意味でも面白いの。

さて、本作は、池部良さんが実際に関わった人々、
あるいは関わっていないけど思い入れのある人達に関する、
エッセー集という形式。

やっぱり、
健さんや鶴田浩二さん、高峰秀子さん周辺について書かれているところが、
個人的には興味深く、東郷平八郎とか正直、どうでもよかった。
ヘンリー・フォンダに対する意見は私は大反対ですし。
だって、彼のせいで、子供達はずいぶん大変だったらしいし。

まあ、それは置いておいて。

やっぱり、池部さんは立教の英文科で、
江戸っ子で、親父が有名な絵描きなんだなあ、と思ったり。

でも、池部さんのお父さん、私、結構ひどいと思いました。
乗り物に弱くて、げろってルお母さんをしかるなんて、
「男の風上にもおけない」ね。

50  51  52  53  54  55 
Admin / Write
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
フリーエリア
最新コメント
[06/03 マスターの知人]
[03/08 桐一葉]
[12/03 あみぴろ]
[11/16 あみぴろ]
[10/19 あみぴろ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
海馬浬弧
性別:
女性
自己紹介:
言語学者、哲学者、文学者、サイバネティック学者である、
海馬浬弧による本、映画、アニメ、音楽、その他、
あらゆることに関するレビューログ。
私生活については一切書きません。7カ国語堪能。
独断と偏見に充ち満ちているため、不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、これも現代の歪みの一つだと思って、
どうかお許し下さいませ。
リンクは才能豊かな知人の方々なので、ぜひ。
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]